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書店に並ばない本
2019/08/8
書店に並ばない本10(白戸満喜子)
以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社) 青栁貴史著「製硯師」 本書は、中国の伝統的手法に基づいて硯を […]
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洒竹文庫及び和田維四郎氏
2019/08/5
江戸物の上等品三百種【洒竹文庫及び和田維四郎氏5】
村口 野村氏は、君にいろいろ世話になったから、これだけの本を君にやると言う、そのくれるという本は江戸物の最上品三百種である。野村さんは反古同様に思っておったらしい。 それを見るとさすがに野村さんの蔵書ですな、結構な品物が相当にありましたから、有難く(笑声)頂戴して戻ったが私のものではない。磯部屋亀吉 […]
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洒竹文庫及び和田維四郎氏
2019/07/8
野村素介氏とその蔵書【洒竹文庫及び和田維四郎氏4】
村口 その次と申しますと、年代不順ですが野村素介(26)さんの蔵書、この品物と申しましたら、それはそれは珍本中の珍本揃いなのです。 誠に結構の逸品ばかりでした、これは私は商売を始めましてから恐らく買い始めの買い終(しま)いであろうと思う。これだけの本を持っている人がまたあろうとも思いません。恐らくあ […]
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書店に並ばない本
2019/05/31
書店に並ばない本9(白戸満喜子)
以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社) 今回は、災害に関する本を市販のものも含めて紹介します。 鎌倉 […]
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洒竹文庫及び和田維四郎氏
2019/05/24
岩崎・久原両文庫の設立【洒竹文庫及び和田維四郎氏3】
村口 久原さんは「有難く頂戴する」と言って住吉へ帰って、三十坪もある講堂のような所へ入れるつもりで、高島屋へ註文して箱を拵(こしら)えさした。 ところが高島屋、なかなか拵えて来ない。一方和田さんは玄関へ本を一杯積んであって、気の短い方だからイライラしているところへ、岩崎久弥さんが来られた、和田さんが […]
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出版部
2019/04/26
年号と元号(中央大学教授・水上雅晴)
平成30年12月1日、200年ぶりの譲位による新天皇即位が5ヶ月後になされることが政府から発表されると、新元号に対する関心がにわかに高まった。崩御を伴わない改元のため、新旧さまざまの情報メディア上では、元号に関する解説や議論、新元号に関する予想が自由に、そして活発に展開された。有志による元号作成ツー […]
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洒竹文庫及び和田維四郎氏
2019/04/23
岩崎文庫と和田維四郎氏【洒竹文庫及び和田維四郎氏2】
村口 和田さんのお話をしましょう。久原文庫、岩崎文庫が出来る前に和田さんのお話をしないと連絡しません。雲村さんに御懇意を頂きましたのは、明治四十年頃と覚えております。 明治三十七年から四十年にかけて、私の店で貧弱な目録を四、五回出しました。その後の目録と覚えておりますが、書生さんが来て「左内坂の和田 […]
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洒竹文庫及び和田維四郎氏
2019/03/15
洒竹文庫本の始末【洒竹文庫及び和田維四郎氏1】
村口 実は震災で持っていた手びかえを焼きましたので、自分の記憶に止まっているところをポツポツやるのですから、あるいは月日等の相違、名前の相違等があるかも知れませんが、御不審があったら御質問下さい、もっとも御質問下すっても大概判らないかも知れませぬが(笑声)、今夕は大野洒竹文庫と、和田雲村文庫について […]
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洒竹文庫及び和田維四郎氏
2019/03/15
村口書房初代主人 村口半次郎氏【洒竹文庫及び和田維四郎氏0】
数多くの貴重な古典籍を扱った村口書房。その店主が語る稀有な証言。 本コラムでは、村口半次郎「洒竹文庫及び和田維四郎氏」(『紙魚の昔がたり』明治・大正編)を16回にわたって全文掲載いたします。それに続いて、村口四郎「諸名家の宝庫を渉猟する」(『紙魚の昔がたり』昭和編)も掲載いたします。ご期待下さい。 […]
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書店に並ばない本
2019/02/1
書店に並ばない本8(白戸満喜子)
以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社) 九州国立博物館編集・発行「石井進先生寄贈図書目録」 日本中世 […]
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書店に並ばない本
2019/01/29
書店に並ばない本7(白戸満喜子)
以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社) 劉瑩編著、王海霞主編、古川智子訳「仮面と臉譜(くまどり) そ […]
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奈良絵本私考(反町茂雄)
2019/01/18
奈良絵本の美 【反町茂雄「奈良絵本私考」8】
奈良絵本の美は、奈良絵の美と、文字の美と、料紙、特に下絵の美と、装潢の美とに分けられるでしょう。しかし、主体は奈良絵で、これに次ぐものは料紙・下絵であります。書と装潢とは、特筆すべき程の重さを持つものではないと愚考しております。 私は美学について、又美術史についても、多く語る資格を持た […]
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奈良絵本私考(反町茂雄)
2019/01/17
奥書と商品化と 【反町茂雄「奈良絵本私考」7】
今日まで見ることを得た、恐らく1000にも近いものの内、ハッキリと年記のある最古のものは、文正元年(1466)の八幡の御本地絵1巻(弘文荘古書目第16号157参照)であります。大型の巻物、巻首3、4葉を欠いていますが、現存紙数34枚半の長巻。巻末に、左の奥書があります。 「奉寄附大日本国周防国吉敷郡 […]
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奈良絵本私考(反町茂雄)
2019/01/16
奈良絵本とは? 【反町茂雄「奈良絵本私考」6】
奈良絵の、又は奈良絵を挿入した本と規定してよいでしょう。本とは書籍・書物の意味で、冊子と、冊子の古い形態である巻物と、両方を包含しております。奈良絵本を冊子にのみ限定しようとする論は、本(即ち書物)は、冊子・巻子を包含した汎称であることの否定に通じ易く、いささか無理の様に感じられます。或は中世小説に […]
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奈良絵本私考(反町茂雄)
2019/01/15
需要層の問題 【反町茂雄「奈良絵本私考」5】
需要者がどの層だったかということは、直ちに商品の質と量に反映致します。上代及び中世前半の絵巻物とは違って、奈良絵本は、最初から大部分は商品として生産されたと考えられます。従ってここでは、誰が買ったか、という問題になります。 1)前期 前期において。先ず公家階級ではありません。これはハッキリ断定してよ […]