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出版部

リオ本『日葡辞書』の発見(白井純・広島大学大学院准教授)

キリシタン版の辞書

キリシタン版は、16世紀後半から17世紀初頭にかけて日本で宣教活動を行ったイエズス会がヨーロッパから持ち込んだ金属活字印刷機によって出版した現存30余点の文献である。『日葡辞書』(1603-04年長崎刊)はイエズス会の日本語学習の成果を象徴する辞書で、32,000語に及ぶ日本語見出し語にポルトガル語で注釈を付し、当時の日本語や日本文化だけでなく、ポルトガル語の資料としても特筆すべき価値をもつ。

日本でのキリシタン弾圧によりキリシタン版の殆どは滅び、現存する本には稀覯書が少なくないが、オックスフォード大学ボードレー図書館、パリ国立図書館、エボラ公共図書館に次ぐ現存4冊目(写真版だけが残る上智大学キリシタン文庫蔵のマニラ本を含めれば5冊目)として、この度、在リオデジャネイロのブラジル国立図書館(Biblioteca Nacional do Brasil)所蔵のリオ本が、中南米で発見された初めてのキリシタン版として新たに加わった。

写真1(リオ本日葡辞書扉)

写真1(リオ本日葡辞書扉)

写真2(リオ本日葡辞書1丁オモテ)

写真2(リオ本日葡辞書1丁オモテ)

写真3-1(Acuma. Tengu(天狗)に同じ。悪魔)

写真3-1(Acuma. Tengu(天狗)に同じ。悪魔)

写真3-2(Tennin. アンジョ(Anjo 天使)、あるいは、天の人)

写真3-2(Tennin. アンジョ(Anjo 天使)、あるいは、天の人)