コラムバックナンバー(2018年2月)

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  • 著書目録について【日本古書通信 編集長だより26】

    本誌2,3月号に俊野文雄氏による「田中美知太郎書誌」を掲載した。本来、博士の全生涯・没後も含む著作年表、著作目録、参考文献などからなる未刊の膨大な書誌で、今回はその内昭和18年から22年までの書誌を抜粋・再編して頂いたものだ。御覧頂ければわかるように、通常の書誌とは趣が違う、私的な観想を含む、読む書 […]

  • 貞松文庫と採選亭版【立正大学・古書資料館の世界 3回】(小此木敏明)

    1.はじめに―貞松山蓮永寺について 今回は、古書資料館の文庫の話から始めたい。同館が所蔵する文庫のうち、最も数が多いのは貞松(みまつ)文庫だろう。貞松文庫は、静岡県静岡市葵区沓谷(くつのや)に現存する貞松山蓮永寺の旧蔵書である。蓮永寺は、日蓮の高弟であった日持が庵原(いはら)郡松野村に開いたとされる […]

  • 『我楽多文庫』の原稿を二千円で 【紙魚の昔がたり19】

    (八木) 勝本さんの話が出ましたので順序は前後しますが、尾崎紅葉の『我楽多文庫』の原本の話をしましょう。昭和十四年一月に、大阪日本橋の天牛書店の二階で、生田文庫という明治物の収集家の売り立て会がありました。その時に、尾崎紅葉が十九歳の時に、山田美妙・石橋思案等の友人たちと一緒に、肉筆の回覧雑誌をつく […]

  • 日本書紀の写本一覧と複製出版・Web公開をまとめてみた

    ■現存しない「原本」 日本の古代を知るためにもっとも重要な史料の一つが、『日本書紀』です。奈良時代の720年に成立した、いわゆる六国史(りっこくし)の第一にあたる歴史書で、本文全30巻と系図1巻とがあったとされます。本文、系図ともに奈良時代の原本は現存していませんが、本文の全30巻については後世の人 […]