コラム

本コラム欄では、八木書店の出版物に関わる紹介文や、『日本古書通信』編集長の日記、会社の歴史などを掲載いたします。ぜひご覧ください。

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  • 『草山要路会註』の版本について(下)【立正大学・古書資料館の世界 5回】(小此木敏明)

    1.41・42丁の改刻 前回、古書資料館が所蔵する28点の『草山要路会註』(以下『会註』)を、刊記や奥付などによって八つに分類し、刷りの古い順に番号を振った。①から④は今回も検討の対象となるため、以下に再掲しておく。 ① 刊記に「京都書林 (栗山彌兵衛/村上勘兵衛)」あり 2点(A04/77, 80 […]

  • 『草山要路会註』の版本について(上)【立正大学・古書資料館の世界 4回】(小此木敏明)

    1.『草山要路』と『草山要路会註』 古書資料館の蔵書の特長として、同じ版本を複数所蔵している点があげられる。今回は、特に所蔵が多い『草山要路会註(そうざんようろえちゅう)』(以下『会註』)を調査し、気付いたことをまとめてみた。『会註』は決して珍しい版本ではないが、数が揃えば色々と分かることもある。 […]

  • 中野好夫の翻訳書【日本古書通信 編集長だより32】

    「日本古書通信」10月号に、中野好夫の翻訳書と編集書の著作目録を掲載する。所蔵書を基本にある程度完備出来るかと考えていたが、作り始めると未知の翻訳書が何点も発覚し、とても完全な目録には及ばないことを自覚した。手を尽くしたが、スペースの関係もあり今回は抄録ということにした。 作成を難しくしたのは、同一 […]

  • 書店に並ばない本6(白戸満喜子)

    以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社) 実践女子大学図書館編集「実践女子大学図書館蔵 山岸徳平文庫目録 ―日本漢詩 […]

  • 名家自筆本は八木書店の特色 【紙魚の昔がたり27】

    (八木) この時には大入札会目録に全部底値を入れて、入札方法を説明しています。逍遥・紅葉・露伴・鷗外・子規・漱石・鏡花・一葉・節・左千夫・藤村・独歩・荷風・龍之介・茂吉・潤一郎・光太郎・康成・西田幾多郎等々の原稿・書簡の良い物が驚くほどたくさん出ました。特別出品として、「明治大正文学名作初版コレクシ […]

  • 西武デパートの優秀社員 【紙魚の昔がたり26】

    (反町) 全体の出来高の三パーセントかを支払ったように記憶しています。出来高が大きいから、わずか三パーセントとしても、相当な金額です。とにかく、西武もわれわれに思い切ったサービスをしてくれました。あの頃私たちは、しばしばあそこで古書展を催し、十分な成績をあげていたせいもあるでしょう。それに、係りの佐 […]

  • 書店に並ばない本5(白戸満喜子)

    以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社) 遊磨正秀編集「ホタル関連文献目録」 全国ホタル研究会50周年記念事業として […]

  • 江戸の子供の落書き【日本古書通信 編集長だより31】

    二宮金次郎が青年期に学んだ「大学」を確かめるため、「四書」の類を暫く漁ったが、購入した本の欄外に微笑ましい子供の落書きが何点かあり、今の子なら「ドラえもん」や「ピカチュウ」を描くんだろうなと思った。「日本古書通信」9月号の本誌古書部で取り上げた「実語教童子教」も江戸時代庶民の教材故、同じような落書き […]

  • 明治古典会の新出発 【紙魚の昔がたり25】

    (反町) 明治古典会は、昭和三十年代には余りふるわないのですが、明治本も相当よく売れるから、明治古典会を、もう一度盛り立てよう、という気運になって来ました。明治古典会の再興のキッカケの一つになったのであります。ちょうど昭和四十二年が明治百年、四十三年が満で百年に当たります。このオッパチュニティーを活 […]

  • 書店に並ばない本4(白戸満喜子)

    以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社) 広島市こども図書館編集・発行「広島市こども図書館所蔵 ベル・コレクション解 […]

  • 中野好夫著書目録1【日本古書通信 編集長だより30】

    中野好夫(1903=1985)の著書目録を、「研究書・評伝・評論・エッセイ集」「翻訳・編著・著作集」の二回に分けて掲載する。基本的に家蔵本によったので脱落があるかもしれない。文芸春秋社の『文学・人間・社会』(昭和51)の巻末に比較的詳細な著書目録が掲載されているが、書誌的事項の記載がなく、少し脱落や […]

  • 書店に並ばない本3(白戸満喜子)

    以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社)   東京都立多摩図書館編集・発行「創刊号コレクション目録 ―雑誌 […]

  • 白木屋古書展の空前の成功 【紙魚の昔がたり24】

    (八木) 明治古典会の会長は、三期か四期仰せつかって、つとめさせてもらったんです。三十年代には、私は全国のデパート、約六十軒ほどと契約をしまして、特価本販売をやりました。どこのデパートとも、コネがあったわけです。その関係で、古書の即売会も同時にやってほしいという、デパート側の要求があって、あちこちで […]

  • 特価本方面で大活躍 【紙魚の昔がたり23】

    (八木) ですから、松坂屋で古書部と同時に、別館で特価本卸部というのをやらせてくれたわけです。  (反町) それも成功でしたね。  (八木) 特価本というのは、あの頃ずいぶん盛んでした。しかし失敗もあります。講談社にいた人が独立して、『太陽少年』という月刊雑誌を発行していました。この社では、ずいぶん […]

  • 片山敏彦歌集『ときじく』と詩集『暁の泉』【日本古書通信 編集長だより29】

    プロの歌人や俳人ではない、学者や小説家の歌集や句集が好きで目に付くと購入してきた。学者には歌集を出す人が少なくないが、不思議と小説家で歌集がある人は少ない。小説家の句集なら枚挙に暇がないくらいなのに、歌集ですぐ思い浮かぶのは、鷗外の『うた日記』と、没後に出された『谷崎潤一郎家集』くらいだ。木下尚江に […]