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書店に並ばない本

書店に並ばない本6(白戸満喜子)

以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。
入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社)

実践女子大学図書館編集「実践女子大学図書館蔵 山岸徳平文庫目録 ―日本漢詩文・儒学―」

日本漢詩文と儒学をテーマとした山岸徳平旧蔵書1699点が収録されている。構成は、「刊行にあたって」(大関恵子)、「実践女子大学図書館蔵 山岸徳平文庫目録 日本漢詩文」、「実践女子大学図書館蔵 山岸徳平文庫目録 国書(儒学)」「刊行を終えて」(大塚宏昌)、「実践女子大学図書館蔵 山岸徳平文庫目録 索引」となっている。索引は五十音順の書名索引である。B5判、419頁、平成29年3月。実践女子大学発行。非売品。(〒191-8510 東京都日野市大坂上4-1-1)

 

聖心女子大学編集・発行「聖心女子大学クニハウス・パレス等(旧久邇宮邸)の建築報告書」

聖心女子大学構内のクニハウス・パレスと正門の来歴、現状調査および改修概要と活用計画を記した報告書である。構成は「第1篇 旧久邇宮邸の来歴」が「第1章 建物概要」「第2章 建物の価値」「第3章 建物の評価(総括)」「第4章 資料調査」、「第2篇 旧久邇宮邸の現況」が「第1章 調査概要」「第2章 クニハウスの現況調査」「第3章 パレス西棟の現況調査」「第4章 パレス東棟の現況調査」「第5章 正門の現況調査」「第6章 敷地と建物配置の変遷」、「第3篇 旧久邇宮邸の改修整備概要」が「第1章 修理・耐震上の留意点」「第2章 耐震補強工事の概要」「第3章 改修前・工事中・改修後の写真」となっている。第1篇第4章には、棟札・幣串・墨書・古図面・古写真などが収載されており、資料として興味深い。A4判、129頁、平成29年3月。(〒150-8938 東京都渋谷区広尾4-3-1)

 

京都大学総合博物館「火焔型土器と西の縄文Jomonesque Japan 2017」展実行委員会監修、京都大学文化財総合研究センター、信濃川火焔街道連携協議会、新潟県立歴史博物館編「火焔型土器と西の縄文」

平成29年9月9日から10月22日まで京都大学総合博物館で開催された平成29年度特別展の図録であり、特別対談・研究講演会の概要を所収している。構成は「第1部」が「第1章 火焔型土器の誕生」「第2章 火焔型土器と王冠型土器」「第3章 火焔型土器のココロ」「第4章 火焔型土器その後」、「第2部」が「第1章 西と東の縄文土器」「第2章 京都大学の縄文時代調査・研究の歩み」「第3章 京都大学構内の縄文遺跡調査」となっており、「特別対談・研究講演会 概要」として「火焔土器は縄文の語り部」(小林達雄)、「土器形式の分布圏が意味するもの」(泉拓良)、「火炎土器研究の現状」(寺﨑裕助)、「火炎土器と京都大学収蔵縄文時代資料の相対化」(建石徹)、「火焔型土器と第二の道具/現代と縄文」(宮尾亨)を収録している。また、「信濃川火焔街道連携協議会 沿革と活動」と「日本遺産認定 「なんだ、コレは!」信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」が収載されている。A4判、127頁、平成29年9月。信濃川火焔街道連携協議会発行。(京都大学総合博物館 〒606-8550 京都府京都市左京区吉田本町)
Flame pots-Jomonesque Japan 2017

 

松村博「世界の橋並み 地域景観をつくる橋」

世界各地の橋に着目し、橋自体のデザインや構造だけではなく、橋のある景観やその地域の歴史・文化的側面と橋の役割について紹介している。「カラー写真編」「解説編」「データ編」の三部構成となっており、取り上げられている橋は「1 侗(トン)族の芸術作品―風雨橋」「2 アーチへの発展過程を示す石橋群―紹興の橋」「3 王道の橋―アンコール時代の石橋」「4 漢江の奇蹟の軌跡―ソウル・漢江(ハンガン)の橋」「5 19世紀と21世紀が共存―シンガポール川の橋」「6 小さな楽園の橋―エスファハーン・ザーヤンデ川の橋」「7 アジアとヨーロッパを結ぶ―イスタンブールの橋」「8 ロマノフ王朝の残影―サンクト・ペテルブルクの橋」「9 ブダとペストの街を一体化した―ブダペストの橋」「10 チェコの歩みを具現した―プラハの橋」「11 世紀末文化の残照―ウィーンの橋」「12 栄光、挫折、分断、復興の軌跡―ベルリン・シュプレー川の橋」「13 近代斜張橋の揺籃―ライン川中流域の橋」「14 舟運と都市交通との両立―アムステルダムの橋」「15 「橋」の町の橋―ブリュージュの橋」「16 迷宮の街への誘い―ヴェネチアの橋」「17 古代ローマの遺産と復興の象徴―ローマ・テヴェレ川の橋」「18 アンダルシアの歴史を映す―セビーリャとコルドバの橋」「19 地形と舟航を克服した―ニューキャスル・タイン川の橋」「20 多彩な色と形式―ロンドン・テムズ川の橋」「21 不易と流行―パリ・セーヌ川の橋」「22 栄光の吊橋群―マンハッタンの橋」「23 震災復興事業の遺産を継承する―隅田川の橋」「24 長大橋の宝庫―大阪湾の橋」「25 水都・大阪を彩る―旧淀川の橋」となっている。コラムとして「趙州橋」「フォース鉄道橋」「アイアンブリッジ」「ガール水路橋」「通潤橋」「錦帯橋」も収載されている。巻末には五十音順の「橋名索引」が付されている。B5判、197頁、2017年3月。鹿島出版会発行。2800円。ISBN 978-4-306-02485-4(〒104-0028 東京都中央区八重洲2-5-14)

 

江上綏、道明三保子、ヤマンラール水野美奈子「織り上げられた動物たちと花々 横浜ユーラシア文化館蔵二作品の美術史的・文化史的考察」

横浜ユーラシア文化館が所蔵する2点の染織品を、表現内容、技法と素材、関連する文化史的環境という視点から紹介している。構成は「口絵」、「論考」が「第一章 二作品の表現内容」(江上綏)「第二章 2作品の技法と素材」(道明三保子)「第三章 イスラーム世界における美術の交錯地 トラブゾン、ディヤルバクル、タブリーズを結ぶ三角地域」(ヤマンラール水野美奈子)、「付図」(「論考」の各章ごと)、「地図」となっている。染織品の素晴らしさに加えて、作品を取り巻く技法・素材、作品のモチーフと関連する絵画や彫刻などを併せてカラー写真で紹介する本書は、奥深い美術史・文化史を味わうことができる。B5判、133頁、2017年8月。世界思想社発行。5800円。ISBN 978-4-7907-1702-7(〒606—0031 京都府京都市左京区岩倉南桑原町56)

 

東京農業大学「食と農」の博物館企画・編集、森田珪子監修「特別展「女わざと自然とのかかわり―農を支えた東北の布たち」の開催による記念出版 農の暮らしに生きた女わざ」

平成27年10月14日から平成28年3月13日まで開催された特別展の内容を紹介している。構成は「出版にあたって」(上原万里子)、「はじめに ―「女わざ」への取り組み」(森田珪子)、「東北の布の民俗〈「かたち」と「ことば」〉―覚え書きとして―」(森田珪子)、「女わざ ―冊子にみる布の記録から―」(森田珪子)、「「布たちとの出会い」おわりにかえて」(黒澤弥悦)となっており、特別寄稿として「岩泉地方に残る紫根染のわざ」(中屋洋子)、「アサと絹の歴史にみる東北農民のくらし」(吉田信子)、コラムとして「女わざの会に学ぶ」(佐藤弓)、「博物館実習で触れた東北の布」(糠屋奈津実・市橋瑛子・川相友紀)、「ワークショップ『バイアスの不思議』」(早川佳代)、資料として「対談「受け継がれるわざ、受け継ぐこころ」」(多田米子・森田珪子)、「柴川康子による語り」が収載されている。東北の女性たちが残そうとした「布たち」は多くの天災を生き抜いた生命力を充分に感じさせてくれる。19×25cm、141頁、平成28年3月。東京農業大学出版会発行。2,500円。ISBN 978-4-88694-458-0(〒156-8502 東京都世田谷区桜丘1-1-1)


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