書入れが語る明治文人の交流 【立正大学・古書資料館の世界 1回】(小此木敏明)

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  • 書入れが語る明治文人の交流 【立正大学・古書資料館の世界 1回】(小此木敏明)

    1 『晩晴楼詩鈔』の書入れ 今回から、さっそく古書資料館の本を紹介していきたい。初回ということで、何を紹介すればよいかとかなり悩んだ。前回も述べたが、おそらく、立正大学は仏教系の大学というイメージを持たれていると思う。仏教系の大学が収集する蔵書は、やはり仏教書が多い。古書資料館の蔵書も、仏教関係7割 […]

  • 古書資料館へようこそ 【立正大学・古書資料館の世界 0回】(小此木敏明)

     1 はじめに 今年の初め、勤務先の図書館を紹介できそうな媒体が何かないかと、当時八木書店に勤めていた研究者仲間に軽い気持ちで相談したところ、このコラムを勧められた。大変そうではあったが、こういう機会もそうそうないと思い、書かせてもらうことにした。 私の勤務先は立正大学の古書資料館というところで、専 […]

  • 海外のキリシタン史料を読むために 高瀬弘一郎(慶應義塾大学名誉教授)

    キリシタン史に不可欠の海外史料 キリシタン史は日本史でありながら、研究の史料は主として海外の教会史料に依存しなければならないという特異性がある。国内史料もあるが、それのみに拠ってキリシタン史を研究しようとすると、研究対象が著しく偏ってしまい、その全貌を見通すのは不可能だと言っても過言ではない。 わが […]

  • 広島県立文書館の大坂金蔵勘定帳のこと 大野瑞男(東洋大学名誉教授)

    『江戸幕府大坂金蔵勘定帳』(八木書店・史料纂集古記録編第191回配本・2017年6月刊行)を出版してすぐ、広島市にお住まいの三浦忍という方から電話を頂いた。そして同氏から安佐町郷土史研究会会報『ふるさと安佐』第八号(2017年7月1日)が送られてきた。氏は同研究会に所属されるとともに、近年は広島県立 […]

  • 大量置換のためのツール sed を用いて その2【文学・歴史資料のデジタル加工入門11】 (木越 治)

    ●環境を整える  1.ショートカットと関連付け Windows では、たとえば、デスクトップにショートカットを置いておけば、簡単にプログラムを実行することができる。このショートカットの実体は一種のバッチファイルである。一太郎を立ち上げるためのショートカットを例に取れば、これを右クリックしてプロパティ […]

  • 大量置換のためのツール sed を用いて その1【文学・歴史資料のデジタル加工入門10】 (木越 治)

    ●複雑な検索(前回の補足) まず、前回掲載した csv 形式の「上田秋成研究文献目録」の一部を再度掲載する。 ========================================= すずきじゅん,鈴木淳,ゆきかひふり考,富士フェニックス論叢,中村博保教授追悼特別号,平成10年11月,12 […]

  • 刃傷柳の間の廊下【古記録拾い読み5】

    元禄14年(1701)3月14日、江戸城松之大廊下で、赤穂藩主浅野内匠頭長矩(ながのり)が、高家吉良上野介義央(よしひさ/よしなか)に切りつける事件を起こします。いわゆる「松の廊下事件」です。浅野は、即刻切腹となり、被害者である吉良はおとがめなしとされました。その後、幕府の裁定を不服とし、大石良雄を […]

  • 特殊製本を手がける職人技【高精細カラー版の製作現場3】

    今回は、製本工程に関わる職人さんに取材し、その技に迫ります。 巻子装を体感する大判・横本 日本に伝えられた古典籍・古文書を写真撮影した影印版。「原本の様相を精確に伝える」ために、できるだけ原寸に近づけ、可読性が向上するように、大きな判型を採用しています。 原本が巻子装のとき、多くは横本を採用します。 […]

  • awkの使い方2ーcsvファイルからの展開【文学・歴史資料のデジタル加工入門9】 (木越 治)

    ●研究会の会費納入案内 前回の復習をかねて、awkを使ってExcelで作成したデータをいろいろに変形していくやり方を試してみよう。 以下に掲げるのは、私が事務局を担当している研究同人誌の会費納入に関するExcelデータである。(もちろん名前は変えてあるし、分量もこの数倍ある。)   これを […]

  • 安永2年(1773)加賀藩前田家江戸屋敷の歌舞伎番付【古記録拾い読み4】

    かぶき者(傾奇者、歌舞伎者)とは、戦国時代末期から江戸時代初期…特に慶長年間から寛永年間(1596~1643)にかけて、江戸や京都などで流行した…異風を好み、派手な身なりをして、常識を逸脱した行動に走る者たちのことをいいます。当時、異形・異様な風体が「かぶきたるさま」として流行したようです。加賀百万 […]