• twitter
  • facebook
立正大学・古書資料館の世界

古書資料館へようこそ 【立正大学・古書資料館の世界 0回】(小此木敏明)

 1 はじめに

今年の初め、勤務先の図書館を紹介できそうな媒体が何かないかと、当時八木書店に勤めていた研究者仲間に軽い気持ちで相談したところ、このコラムを勧められた。大変そうではあったが、こういう機会もそうそうないと思い、書かせてもらうことにした。

私の勤務先は立正大学の古書資料館というところで、専門員という肩書きで働いている。おそらく、立正大学のOBでも古書資料館を知る人は少ないと思う。それというのも、古書資料館は2014年4月に開館したばかりの専門図書館で、出来てからまだ日も浅い。そのため、アピールの機会があれば積極的に行動している。その甲斐もあってか、昨年にはNPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)が主催するLibrary of the Year2016に推薦され、大学図書館部門の1次選考3校の内に残った。

今年に入ってからも、外部の方に古書資料館を紹介する機会がたびたびあった。中でも、6月に行われた私立大学図書館協会の東地区部会の総会が立正大学で行われた際には、多くの出席者の方に足を運んでいただいた。見学者からは、図書館員としての見地にもとづく専門的な質問が多くあり、古書資料の利用と保存に対する関心の高さがうかがわれた。また、7月には専門図書館協議会が主催する見学会の会場として、和古書を用いた同館の紹介を行い、積極的な意見交換が行われた。

このような活動の結果として、古書資料館の存在は図書館関係者の間でそれなりに知られるようになったかもしれない。しかし、研究者を初めとする学外での知名度はまだまだ低い。このコラムは、古書資料館のアピールも兼ねて、同館が所蔵する蔵書や、それにまつわる人物を紹介していこうという企画である。

開架室 座席