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会計報告書が語る古代の社会
2025/07/25
防人の帰郷の旅【会計報告書が語る古代の社会 2】
奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 奈良時代、遠い九州で国を守った防人たちが故郷へ帰る旅はどのようなものだったのか。「正税帳」には、彼ら […]
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会計報告書が語る古代の社会
2025/07/11
古代人の病・老・死【会計報告書が語る古代の社会 1】
奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 正税帳からわかること 正税帳は毎年国ごとに作成され、中央政府に提出されたその国の一年間の正税(田租や […]
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やさしい茶の歴史
2025/06/26
鎌倉時代後期「金沢文庫文書」にみる喫茶文化(6)茶の生産について⑤―やさしい茶の歴史(二十一)(橋本素子)
下河辺庄赤岩郷の環境 今回は、まず下総国葛飾郡下河辺庄(しもこうべのしょう)赤岩郷の茶の生産について見ていく。下河辺庄赤岩郷は、現在の埼玉県北葛飾郡松伏町上赤岩・下赤岩にあたり、沖積低地ばかりではなく、下総台地の最西端の細長く北西に伸びる洪積台地の一部もあるが、総じて洪水の多い地域であった。 その赤 […]
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やさしい茶の歴史
2025/06/5
鎌倉時代後期 「金沢文庫文書」にみる喫茶文化(5)茶の生産について④―やさしい茶の歴史(二〇)(橋本素子)
下総国土橋東禅寺の茶 前回の武蔵国金沢称名寺に続いて、今回は房総地域(安房・上総・下総=現千葉県)の茶について見ていきたい。 房総地域で茶の生産が行われていることには、あまりなじみがないかもしれないが、現在でも成田市などで茶が生産されている。それに今回取り上げる東禅寺のある旧下総国千田(ちだ)庄の荘 […]
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やさしい茶の歴史
2025/04/9
鎌倉時代後期 「金沢文庫文書」にみる喫茶文化(4)茶の生産について③―やさしい茶の歴史(十九)(橋本素子)
称名寺茶成立の経緯 今回は、金沢称名寺(現横浜市金沢区)の境内に作られた茶園と、そこから生産された茶について見ていこう。 鎌倉時代中期までは、東国で茶の消費が行われていたことは確認できるが、生産が行われたことは確認されていない。ようやく鎌倉時代後期になって、茶が生産されていたことが確認できるようにな […]
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やさしい茶の歴史
2025/01/21
鎌倉時代後期「金沢文庫文書」にみる喫茶文化(3)茶の生産について②―やさしい茶の歴史(十八)(橋本素子)
茶の産地の広がり これまで、平安時代に大内裏茶、鎌倉時代前期に栂尾茶、中期に奈良にある茶、と中央で茶が生産されていたことを示した。 今回は、鎌倉時代後期から南北朝期を中心とする『金沢文庫文書』にみえる茶の産地を抽出し、その広がりをみていきたい。 京都茶 鎌倉時代後期も引き続き、中央で茶が生産されてい […]
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やさしい茶の歴史
2024/12/13
鎌倉時代後期「金沢文庫文書」にみる喫茶文化(3)茶の生産について①—やさしい茶の歴史(十七)(橋本素子)
生産に係る史料の特徴 前回、前々回と、『金沢文庫文書』初出の茶道具である、茶筅と茶臼についてみた。今回はこれらを使用して飲む、茶の生産について見ていきたい。 ただし、『金沢文庫文書』は、生産でも茶の栽培について記載された史料が主であり、茶の加工についての記載がほとんどないことが特徴である。 なお鎌倉 […]
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やさしい茶の歴史
2024/09/27
鎌倉時代後期「金沢文庫文書」にみる喫茶文化(2)茶筅について——やさしい茶の歴史(十六)(橋本素子)
茶筅の初見をめぐって 前回、『金沢文庫文書』に含まれる鎌倉時代後期の史料が初見となる茶具足(茶道具)として、茶臼を紹介した。今回はもうひとつの事例である、茶筅についてみていきたい。 抹茶を攪拌する道具である茶筅は、後述するように「茶振(ちゃふり)」ともいい、南北朝期の玄恵『庭訓往来』「十月復状」には […]
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やさしい茶の歴史
2024/08/22
鎌倉時代後期「金沢文庫文書」にみる喫茶文化(1)茶臼について——やさしい茶の歴史(十五)(橋本素子)
戦国時代の禅僧が見た称名寺の什物 国宝「金沢文庫文書」は、神奈川県立金沢文庫が所蔵する、鎌倉後期から南北朝期を中心とした史料群である。この4000点を超える史料の中に、約350点の喫茶文化に係る史料がみられる。 今日の本題に入る前に、戦国時代に称名寺を訪れた京都の禅僧の史料を少しばかり読んでおこう。 […]
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やさしい茶の歴史
2024/06/18
鎌倉時代中期の喫茶文化 その三――やさしい茶の歴史(十四)(橋本素子)
鎌倉時代の禅宗寺院における茶の研究 今回は、鎌倉中期の禅宗寺院と茶との関わりを見ていく。 現存する鎌倉前期に建立された禅宗寺院には建仁寺・寿福寺、中期には東福寺などがある。いずれも禅と共に顕密などが勉強できる兼修寺院であった。鎌倉中期になりようやく、曹洞宗の永平寺、臨済宗の建長寺といった、本格的な禅 […]
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コラム
2024/04/25
歌舞伎に不可欠な「芝居唄」の数々を、使用された外題・場面の解説とともに初集成!―郡司正勝・浅原恒男『芝居唄: 歌舞伎黒御簾音楽歌詞集成』(文化資源社)
歌舞伎の舞台で演奏される唄は、その場面をより効果的に印象づけるために欠かせないことは、多くの方がご存じでしょう。しかし、現代ではその歌詞を聴き取り、理解できる方は少ないのが現状です。素晴らしい歌舞伎の舞台を盛り上げる芝居唄の歌詞が理解できれば、芝居がさらに深く楽しめると思いませんか? 本書はその実現 […]
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コラム
2024/04/4
〈言葉〉と〈行為〉のあいだ ―西山宗因の〈心〉を探る―(尾崎千佳)
西山宗因の生涯と研究史 西山宗因は、慶長10年(1605)、加藤清正家臣の子として肥後熊本に生まれた。青年時代は加藤家家老に仕えていたが、同家改易により牢人し、29歳の寛永10年(1633)、上京して連歌師に転身する。正保4年(1647)、43歳にして摂津中島天満宮の連歌所宗匠に就任したのち、大名・ […]
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コラム
2023/12/25
〈交通〉から日本の古代国家形成を考える 【自著解説】中野高行『古代日本の国家形成と東部ユーラシア〈交通〉』
東部ユーラシアで展開された〈交通〉の実相を明らかにし、日本の古代国家形成にどのように作用したのかを考える。 経済・軍事・政治・文化を規定する〈交通〉という新しい視点 一般的に、人あるいは物が移動することと定義される「交通」について、石母田正は新たな概念として規定した。石母田による「交通」は、経済的側 […]
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出版部
2023/09/19
イエズス会が刊行した文法書を読む―『天草版ラテン文典巻一全釈』刊行の弁―
「天草版ラテン文典」とは 「天草版ラテン文典」(1594年天草刊)は、イエズス会が刊行したキリシタン版日本語文典3種の最初の文典であり、ラテン文法の枠組みで日本語を論じた初の文法書である。 という教科書的な一行なら、今やchatGPTでも書けそうだが、「天草版ラテン文典」の原文に即して、その日本語文 […]
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やさしい茶の歴史
2023/07/4
鎌倉時代中期の煎茶法と点茶法の茶――やさしい茶の歴史(十三)(橋本素子)
醍醐寺で回し飲みされた茶 鎌倉中期には、平安前期時代以来の唐風喫茶文化、茶を煮だして飲む「煎茶法」の茶と、平安時代末期以来の宋風喫茶文化、抹茶に湯を注いで飲む「点茶法」の茶が併存していた。 寺院の法会や修法などでは、平安時代から引き続いて、煎茶法の茶を使用することが見られた。 たとえば、建長8年(1 […]









