コラム

本コラム欄では、八木書店の出版物に関わる紹介文や、『日本古書通信』編集長の日記、会社の歴史などを掲載いたします。ぜひご覧ください。

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  • 色校正裏話【高精細カラー版の製作現場2】

    今回のテーマは、製版と印刷の工程に関わる「色校正」のお話です。   藍と紫の打曇紙 新天理図書館善本叢書第3期『源氏物語 池田本』の原本(鎌倉末写)には、各冊毎に藍と紫の打曇紙の表紙がつけられており、室町期の後補表紙とみられています。今回、上記第3回配本分の色校正の一例として、その藍の色味 […]

  • MS-DOSでできること・その3「削除系コマンドの使用法とバックアップ対策について」 【文学・歴史資料のデジタル加工入門5】 (木越 治)

    ●削除系コマンドについて MS-DOS の削除系のコマンドは、「del」と「rd」である。「del」はファイルの削除、「rd」はフォルダを削除するときに用いる。 まず、「del」コマンドで、ワイルドカードを利用した例を示す。 del *.txt (拡張子txt のファイルをすべて削除) del *. […]

  • 戦後版『女性改造』の休刊について【日本古書通信 編集長だより10】

    既報の通り「日本古書通信」11月、12月号で「作家と女性雑誌」を特集する。 取り上げる雑誌と執筆者は以下の予定である。 11月号 『婦人公論』と室生犀星(九里順子) 『婦女界』と菊池寛(掛野剛史) 『婦人戦旗』・『働く婦人』と中野鈴子(大﨑哲人) 『婦人之友』と徳田秋聲(薮田由梨) 12月号 『新女 […]

  • 『近代歌舞伎年表』と国立劇場開場50周年(玉川大学 法月敏彦)

    はしがき 先日、2016年9月28日、独立行政法人日本芸術文化振興会国立劇場(以下、国立劇場)では、皇太子殿下同妃殿下のご来臨を賜り、盛大に「国立劇場開場50周年記念式典」が挙行された。 国立劇場は、1956年の文化財保護委員会(文化庁の前身)による設立基本方針の答申を経て64年8月に起工。66年7 […]

  • 元禄大地震【古記録拾い読み2】

    前回に続き、今回も地震の記事を…… 元禄16年(1703)11月23日未明、関東地方を襲った「元禄大地震」の記事を紹介する。その震源は、相模トラフの房総半島南端にあたる千葉県の野島崎で、安房(千葉県南部)や相模(神奈川県)の最大震度は、7と推定されている。大正12年(1923)に起きた、いわゆる「関 […]

  • 影印出版の舞台裏へようこそ 【高精細カラー版の製作現場1】

    八木書店の高精細カラー版出版物が作られる過程を、「尊経閣善本影印集成」の製作現場を例として見学ツアー形式でご紹介いたします! 1)こだわりの原本撮影 影印版は写真原稿が命! 原稿となる写真が影印出版に適したものでないと、高精細カラー版は実現できません。では、影印出版に適した写真原稿とは? カメラの精 […]

  • 製本・造本【活版印刷の基礎知識10・最終回】

    書籍・雑誌を、最終的に仕上げて、取次などの流通ルートに納品するのは製本所の仕事である。 大規模な印刷会社であれば、製本部門をもっている。 製本の様式は、大きくは、上製本と並製本の二つに分かれる。 その違いは、製本の製作工程による。 並製本は、本文・見返し・扉と表紙などを組み立てた後に、規格の寸法に断 […]

  • 一誠堂での店員生活 【紙魚の昔がたり3】

    (八木) ついでですから、一誠堂の、その時分の生活を話しますと、朝七時に起きまして、清掃をして、前日に買ってきた本を、反町さんの机の上に持ってきて、値段付けして貰って、店の棚へ納める。前の日に買ってきたものは、その夜十時に閉店してから、みんな集まりまして、反町さんが中心になって、この本は二円とか、一 […]

  • 『短歌研究』昭和20年第4号―疎開という名の難民【日本古書通信 編集長だより9】

    日本古書通信10月号で、過酷な脳内出血から復活した編集者・中嶋廣さんが、井上卓弥著『満洲難民―三八度線に阻まれた命』(幻冬舎)を紹介している(「一身にして二世を経る」2)。同書は中嶋さんが私淑していた編集者・故鷲尾賢也さんを経て彼が編集を進めていたが、急な病気で幻冬舎の中嶋さんを慕う編集者が継承、出 […]

  • MS-DOSでできること・その2「拡張子・ワイルドカードとバッチファイルについて」 【文学・歴史資料のデジタル加工入門4】 (木越 治)

    ●ファイル操作のためのコマンド ファイル操作で一番多い作業は、コピー・移動・削除、それと名前の変更だろう。 MS-DOS でこれにあたるコマンドは、 コピー copy または xcopy 移動  move 削除  del  (deleteの略) 名前の変更  ren (renameの略) この他に、 […]

  • 象嵌(ぞうがん)【活版印刷の基礎知識9】

    印刷後に誤植が見つかった場合や、増刷時に加筆訂正しなければならない場合、「象嵌(ぞうがん)」という手法で、版を訂正することがある。 鉛版の誤植・訂正部分を切り込んで、活字を埋め込み、その状態で紙型に取り直し、改めて鉛版を作る。 数字分の訂正や文字数が変更になった場合は、正しい文字も含めて一行単位、段 […]

  • 若狭湾の大地震【古記録拾い読み1】

    1週間ほど前の9月1日は「防災の日」。むろん、今から約90年前の1923年に発生した関東大震災にちなんだものだ。最近、編集した書籍の中から印象に残った大地震の記事を紹介する。 ●『兼見卿記』天正13年(1585)11月29日条(史料纂集古記録編 第173回配本 兼見卿記3所収) 子刻大地震、屋宅既ユ […]

  • 古本修行に東京へ 【紙魚の昔がたり2】

    (反町) 岩波文庫が出始めたのは、あなたが入った年ですか。 (八木) その年、入ってしばらくしてからです。 (反町) 面白い動機ですね。 (八木) 徴兵検査の結果が乙種合格、兵隊に行かなくてもよくなったわけです。そこで当時の福音舎の社長の塩倉さんに、新刊の小売屋はやれないから、出版をやりたい、それに […]

  • 暴食,色欲……宣教師のみた日本人の“大罪”(日埜博司・ポルトガル文献学)

    ●異色の書 『懺悔録』 の刊行 1632年,ローマの布教聖省(プロパガンダ・フィデ)は,イスパニア人ドミニコ会宣教師ディエゴ・コリャードの編著『懺悔録』を刊行した。1620年代初め迫害下の長崎近辺で,みずからが聴取した名もなき日本人キリシタンの告解を,モーセの十誡や七つの大罪というテーマごとに分類, […]

  • MS-DOSでできること・その1「コマンドを使ってみる」 【文学・歴史資料のデジタル加工入門3】 (木越 治)

    ●MS-DOSを使ってみる Windows は、もともとは MS-DOS という OS から出発している。本連載コラム1回目の冒頭に書いたように、MS-DOSはキーボードからコマンドを入力することによって操作するシステムであった。やがて Windows 3.1 というのが発表され、マウスで動かすこと […]