コラム

本コラム欄では、八木書店の出版物に関わる紹介文や、『日本古書通信』編集長の日記、会社の歴史などを掲載いたします。ぜひご覧ください。

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  • あの作家は●月生まれだった<6月編>

    今月ご紹介する作家は、 川端康成・荻原井泉水・新田次郎の3名です。 川端康成(かわばた やすなり) 明治32年6月14日(1899)生 昭和47年4月16日(1972)没 小説家。大阪市北区此花町生。東大国文科卒。 横光利一らと同人雑誌『文藝時代』を創刊。 西欧の前衛的な文学潮流を取り入れた、新感覚 […]

  • 時代を写すスポーツヒーロー【日本古書通信 編集長だより17】

    写真は、朝日新聞社が発行していた「大相撲画報」の昭和35年2月と5月刊行の通巻29号と30号である。春場所と五月場所特集で今から57年前の雑誌だ。サイズはB4判で50ページ、カラーは表紙だけ。新聞社の雑誌だからタブロイド判の輪転機印刷かと思ったが、正確にB4判である。いわゆるグラフ雑誌で、昔の「朝日 […]

  • 企画展「秋聲全集物語」『徳田秋聲全集』記念鼎談報告(抄)

    本コラムは、徳田秋声記念館発行『夢香山』平成29年3月20日より転載いたしました。 http://www.kanazawa-museum.jp/shusei/mukouyama/pdf/mukouyama_09.pdf 平成28年11月12日(土)、企画展「秋聲全集物語」にちなみ、『徳田秋聲全集』の […]

  • 召集で中支・南支・北支と転戦 【紙魚の昔がたり10】

    (八木) 太平洋戦争が、段々激しくなって昭和十九年の三月に召集されて、郷里に近い姫路の連隊に入る。もうこの頃は軍も資材が不足で、軍服が支給されない。私服のまま、朝鮮の平壌に送られました。検査の結果は乙種ですから、それまでに訓練は全然受けてない。平壌で教育を受けたんですが、教育が終わる頃に、四国の鯨部 […]

  • 大量置換のためのツール sed を用いて その2【文学・歴史資料のデジタル加工入門11】 (木越 治)

    ●環境を整える  1.ショートカットと関連付け Windows では、たとえば、デスクトップにショートカットを置いておけば、簡単にプログラムを実行することができる。このショートカットの実体は一種のバッチファイルである。一太郎を立ち上げるためのショートカットを例に取れば、これを右クリックしてプロパティ […]

  • あの作家は●月生まれだった<5月編>

    今月ご紹介する作家は、 斎藤茂吉・近松秋江・草野心平、の3名です。       斎藤茂吉(さいとう もきち) 明治15年5月14日(1882)生 歌人、精神科医。山形県生。号として童馬山房主人等。東京帝国大学医科大学卒。正岡子規に触発され、伊藤左千夫に師事する。「アララ […]

  • 室生犀星「或詩集の序詩」と水町京子主宰「遠つびと」【日本古書通信 編集長だより16】

    「日本古書通信」4月号に、「露西亜評論」第二年八号(大正8年8月)に掲載された室生犀星のエッセイ「明るい烈しい情熱」を紹介した。調べた限りでは「全集」や『室生犀星文学年譜』(昭和57)には未収録の文章と思われた。全集逸文に出会うのは大抵偶然だが、不思議なもので、先日入手した水町京子主宰の短歌雑誌「遠 […]

  • 聖徳太子はいつ生まれたか、Web版群書類従で調べる:田中智子・中古文学

    Web版群書類従について 『群書類従』の版木が完成したのは文政2年(1819)のことである。爾来約200年の間、『群書類従』は文学・歴史学など様々な研究分野に多大な影響を及ぼし続けてきた。   更に、2014年10月にWeb版のサービスが始まったことで、『群書類従』利用の利便性は飛躍的に高 […]

  • 公定価格問題で活躍 【紙魚の昔がたり9】

    (八木) そうこうするうちに、太平洋戦争が始まるわけですが、その前に、物資の不足から来る物価の急激な上昇を抑えるため、政府の指示で、あらゆる物に公定価格ができた。古本の価格も、その手でしばらなくちゃいけないということで、商工省から申し出があり、警視庁からも市場のことなどに干渉がありました。当時組合の […]

  • 大量置換のためのツール sed を用いて その1【文学・歴史資料のデジタル加工入門10】 (木越 治)

    ●複雑な検索(前回の補足) まず、前回掲載した csv 形式の「上田秋成研究文献目録」の一部を再度掲載する。 ========================================= すずきじゅん,鈴木淳,ゆきかひふり考,富士フェニックス論叢,中村博保教授追悼特別号,平成10年11月,12 […]

  • あの作家は●月生まれだった<4月編>

    今月ご紹介する作家は、 佐藤春夫・内田魯庵・長塚節、の3名です。         佐藤春夫(さとう はるお) 1892年4月9日生 小説家、詩人。和歌山県生。慶大中退。若くして「スバル」「三田文学」に関わり、詩文を発表。 のち散文に転じる。多面多趣味の人。門弟の多さでも […]

  • 明治末期の「北米俳壇の沿革」【日本古書通信 編集長だより15】

    「日本古書通信」3月号に「明治期の渡米案内書について」を執筆した。昨今話題となっている、アメリカの移民問題に因んで急遽書いたものだが、その後も、関連の文献が目に付く。今回紹介するのは、明治末期アメリカ日系人社会の俳句について書かれた文献である。 昨年7月20日、私はツイッター(古書通信編集部@)で、 […]

  • 難局打開の新方策 【紙魚の昔がたり8】

    (八木) その頃の本の好きな御大と言いますと、第一が徳富蘇峯先生。ここにお願いする。明治大学の先生方でも、ジャーナリズムの世界で重きをなしておられた尾佐竹猛さんのところに行きまして、原稿を頂きましたが、先生は忙しい人でしたから、書かれた本から適当な文章を抜かせて頂いて、掲載することも了解してもらいま […]

  • 刃傷柳の間の廊下【古記録拾い読み5】

    元禄14年(1701)3月14日、江戸城松之大廊下で、赤穂藩主浅野内匠頭長矩(ながのり)が、高家吉良上野介義央(よしひさ/よしなか)に切りつける事件を起こします。いわゆる「松の廊下事件」です。浅野は、即刻切腹となり、被害者である吉良はおとがめなしとされました。その後、幕府の裁定を不服とし、大石良雄を […]

  • 特殊製本を手がける職人技【高精細カラー版の製作現場3】

    今回は、製本工程に関わる職人さんに取材し、その技に迫ります。 巻子装を体感する大判・横本 日本に伝えられた古典籍・古文書を写真撮影した影印版。「原本の様相を精確に伝える」ために、できるだけ原寸に近づけ、可読性が向上するように、大きな判型を採用しています。 原本が巻子装のとき、多くは横本を採用します。 […]