MS-DOSでできること・その2「拡張子・ワイルドカードとバッチファイルについて」 【文学・歴史資料のデジタル加工入門4】 (木越 治)
●ファイル操作のためのコマンド
ファイル操作で一番多い作業は、コピー・移動・削除、それと名前の変更だろう。
MS-DOS でこれにあたるコマンドは、
コピー copy または xcopy
移動 move
削除 del (deleteの略)
名前の変更 ren (renameの略)
この他に、フォルダー作成と消去のためのふたつのコマンド
フォルダー作成 md (make directoryの頭文字)
フォルダー消去 rd (remove directoryの頭文字)
を知っていれば、 MS-DOS で我々が使う主たるコマンドは尽くされているといっていい。
これらを使うときは、いくつかのオプションを覚えておくとさらに便利になるが、それよりもまず知っておくべきなのは、「拡張子」の概念と「ワイルドカード」のことである。このふたつを知るだけで MS-DOS でのファイル操作は飛躍的に容易になるし、 Windows でのファイル名の付け方において注意すべき点もわかってくる。だから、この項目は、ぜひともしっかり理解しておいてほしい。
●拡張子について
拡張子については、この連載でもときどき触れてきたから、知っている人も多いはずだが、MS-DOSも Windows も、ファイルの種類をこれで区別している。エクスプロ-ラーでファイルを表示させたとき、ファイル名のうしろの半角ピリオド以下の3文字ないし4文字のアルファベット部分が拡張子である。もし、表示されないという人がいたら、表示 → オプション( Windows10の場合)を開き、「登録されている拡張子は表示しない」にチェックが入っていないかどうか確認してほしい*。
*ついでに、「隠しファイルは表示しない」などのチェックをはずしておいたほうがいい。実際に操作することはないにしても、どんなファイルがあるのかは見えた方がいいからである。
こうしておくと、word ファイルならば、「doc」ないし「docx」、 Excelならば、「xls」ないし「xlsx」、一太郎ならば、「jtd」という拡張子になっているのがわかるはずである。また、ツール類の入っているフォルダーには、「exe」「com」「dll」といった拡張子のファイルがたくさんあるのがわかるだろう。これらは、すべてプログラムを実行するのに必要なファイルである。