コラム

本コラム欄では、八木書店の出版物に関わる紹介文や、『日本古書通信』編集長の日記、会社の歴史などを掲載いたします。ぜひご覧ください。

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  • 響く弦音、風切る矢―『妙法院日次記』にみる堂射【史料纂集こぼれ話(2)】

    妙法院と堂射 京都市東山区に所在する天台宗門跡寺院、妙法院。ここに仕える坊官たちによって、元禄7年(1694)以降日々書き継がれた記録が『妙法院日次記』(史料纂集、既刊25冊、以下『日次記』)である。ここには門主や妙法院内の動向のほか、公家・武家との関わり、周辺地域の動静など様々な内容が記されている […]

  • 脚注に書かなかったこと【会計報告書が語る古代の社会 12】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 『翻刻・影印 天平諸国正税帳』の編纂作業では、脚注に何を書くか、書かないかの線引きが大きな課題だった […]

  • 端数の問題 【会計報告書が語る古代の社会 11】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 古代日本の会計報告である正税帳には、穀物の「把」単位の端数処理や、出挙(すいこ)における貸し出しの不 […]

  • 賑給(しんごう)の実際は 【会計報告書が語る古代の社会 10】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「賑給(しんごう)」は、国家の慶事や災害時に、高齢者や身寄りのない人々、病人などに食料を支給する古代 […]

  • 【特設サイト】髙橋周著『近世写本文化論―出雲国風土記を書写した人々―』系統図・写本一覧・校異表

    本サイトは、髙橋周著『近世写本文化論―出雲国風土記を書写した人々―』(八木書店、2025年)に関連する、系統図・写本一覧・校異表を公開するものである。 1 系統図 系統図 *系統図は大変広大なPDF画像となっており、ブラウザ等でPDFファイルを開くと500%までしか拡大表示できない場合があり、閲覧が […]

  • 廝(かしわで)の任務 【会計報告書が語る古代の社会 9】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」からは、当時の料理人「廝」の任務も明らかになる。天皇に献上する特別な食材を運ぶ旅に同行した […]

  • 酒の記事の真実は 【会計報告書が語る古代の社会 8】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」に記されたとある高官への「酒」の支給量。規定の2倍もの酒が記されている。これは「誤記」なの […]

  • 女性皇太子と珠玉【会計報告書が語る古代の社会 7】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」に記された珍しい「珠玉を探す使者」の記録。この使者は、当時の女性皇太子(後の孝謙天皇)に仕 […]

  • 小さな記号が導く“歴史パズル”の解き方【史料纂集こぼれ話(1)】

    史料集を支える小さな工夫 史料集という書籍の形態がある。その多くは古記録や古文書などの元の文字を活字化し、注や解説などを付して出版される。実は史料集には史料の内容を読むうえではあまり気にすることのない細やかな配慮や工夫がなされている。 ここでは、そのような史料集の配慮と工夫、具体的には一つの編集記号 […]

  • 捕虜になった蝦夷―俘囚の旅―【会計報告書が語る古代の社会 6】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」には、東北地方で捕らえられた蝦夷の人々、「俘囚」たちの、遠く九州までの旅の記録が残されてい […]

  • 倉の中の穀の量り方【会計報告書が語る古代の社会 5】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 奈良時代の日本では、穀物の量を斛・斗・升などの単位で測っていた。しかし、枡で正確に測るのは難しかった […]

  • 国内を巡る国司の食事と業務【会計報告書が語る古代の社会 4】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 平安時代の地方官「国司」は、各地を巡って業務にあたった。「正税帳」には、そんな彼らの出張の様子や、そ […]

  • 古代馬のリアルな生涯【会計報告書が語る古代の社会 3】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」には古代の馬たちの生涯が記されている。献上される「御馬」や種馬「父馬」の待遇の違い、雨具を […]

  • 防人の帰郷の旅【会計報告書が語る古代の社会 2】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 奈良時代、遠い九州で国を守った防人たちが故郷へ帰る旅はどのようなものだったのか。「正税帳」には、彼ら […]

  • 古代人の病・老・死【会計報告書が語る古代の社会 1】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 正税帳からわかること 正税帳は毎年国ごとに作成され、中央政府に提出されたその国の一年間の正税(田租や […]