コラム

本コラム欄では、八木書店の出版物に関わる紹介文や、『日本古書通信』編集長の日記、会社の歴史などを掲載いたします。ぜひご覧ください。

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  • 宋版「論語」と外国為替【洒竹文庫及び和田維四郎氏8】

    村口 それから文求堂さんの宋版の「論語」。これでは私は和田さんに叱られたのでなく、岩崎さんから叱られた。これは文求堂が悪いのではなく、私はその品物を聞いただけで見てないから無理もないのです。 事の起こりは「今度北京で『論語』の注疏のいいのを見て来たが、四千円というので、買い切れずに帰った」という話で […]

  • 近藤剛著『日本高麗関係史』要旨(日本語・ハングル)

    近藤剛著『日本高麗関係史』要旨(日本語) 著者は、卒業論文以来、日本と高麗との関係史について研究を進めてきた。この間、大韓民国高麗大学校への交換留学を実施し、韓国における研究についても可能な限り学び、本書を執筆した。 その上で、日本高麗関係史研究の課題として、次の4点を挙げたい。 ①日本高麗関係史の […]

  • 日本と高麗の関係を探る旅と出会い(開成中学校・高等学校教諭 近藤 剛)

    「こんな幸運に巡り合うことがあるなんて!」 九州国立博物館の収蔵庫内で、私は興奮を抑えきれずにいた。2017年に当館の所蔵となった鎌倉時代のものと考えられる古筆切「嘉禄三年高麗国牒状写断簡及按文」(以下「高麗国牒状写断簡」と称す)の冒頭一行目に衝撃を受け、次行以降に広がる未知の文言に目を奪われてしま […]

  • 南陽堂の宋版「文選」【洒竹文庫及び和田維四郎氏7】

    村口 それから楠林君(35)の家に宋版の「文選」があった。これを称して三万五千円といっていた。 話は聞いていたが、恐れをなして行きもしませんでしたが、京都の内藤湖南さんが見えて、楠林へ行って見て来られて、鉱山懇話会に和田さんをたずねられまして「楠林の家に宋版のいい『文選』があるが、村口がどうして見逃 […]

  • 透過光撮影で読み解く紙背文書 『外記日記 新抄』の見どころ(遠藤珠紀・東京大学史料編纂所)

    記録が少ない鎌倉時代後期の政治史を知る 今年度より刊行の始まった『尊経閣善本影印集成』第九輯鎌倉室町古記録編のうち、72冊・73冊では、『外記日記 新抄』巻一~五、『享禄二年外記日記』が紹介される。この『外記日記 新抄』は鎌倉時代後期の中原氏西大路流の師種の日記を、その孫師栄がまとめたと推測される史 […]

  • 小野蘭山の稿本【洒竹文庫及び和田維四郎氏6】

    村口 小野蘭山蔵書で滑稽なことがあったというのは、井上君が谷田とかいう人を見にやった、なかなかよいもので向うも高張っていたが、その時に付けた価格が七千円。 それ切りにして置けばよいのに、和田さんに私が御注進をした。「小野蘭山のいい物がございます」「どの位か」「一万五千円以上でございましょう」(笑声) […]

  • 料紙から見る原本調査の世界(竹内洪介・日本近世文学)

    ● 広がる原本調査の可能性 現在、原本調査を行う上での環境は急速に向上し、それによって調査方法の手順も変化しつつある。 国文学研究資料館の「新日本古典籍総合データベース」を始めとしたインターネット上での資料公開はその大きな要因の一つである。有名無名を問わず、多くの文献が写真付きで公開されており、原本 […]

  • 書店に並ばない本10(白戸満喜子)

    以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社)   青栁貴史著「製硯師」 本書は、中国の伝統的手法に基づいて硯を […]

  • 江戸物の上等品三百種【洒竹文庫及び和田維四郎氏5】

    村口 野村氏は、君にいろいろ世話になったから、これだけの本を君にやると言う、そのくれるという本は江戸物の最上品三百種である。野村さんは反古同様に思っておったらしい。 それを見るとさすがに野村さんの蔵書ですな、結構な品物が相当にありましたから、有難く(笑声)頂戴して戻ったが私のものではない。磯部屋亀吉 […]

  • 野村素介氏とその蔵書【洒竹文庫及び和田維四郎氏4】

    村口 その次と申しますと、年代不順ですが野村素介(26)さんの蔵書、この品物と申しましたら、それはそれは珍本中の珍本揃いなのです。 誠に結構の逸品ばかりでした、これは私は商売を始めましてから恐らく買い始めの買い終(しま)いであろうと思う。これだけの本を持っている人がまたあろうとも思いません。恐らくあ […]

  • 書店に並ばない本9(白戸満喜子)

    以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。 入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社) 今回は、災害に関する本を市販のものも含めて紹介します。   鎌倉 […]

  • 岩崎・久原両文庫の設立【洒竹文庫及び和田維四郎氏3】

    村口 久原さんは「有難く頂戴する」と言って住吉へ帰って、三十坪もある講堂のような所へ入れるつもりで、高島屋へ註文して箱を拵(こしら)えさした。 ところが高島屋、なかなか拵えて来ない。一方和田さんは玄関へ本を一杯積んであって、気の短い方だからイライラしているところへ、岩崎久弥さんが来られた、和田さんが […]

  • 年号と元号(中央大学教授・水上雅晴)

    平成30年12月1日、200年ぶりの譲位による新天皇即位が5ヶ月後になされることが政府から発表されると、新元号に対する関心がにわかに高まった。崩御を伴わない改元のため、新旧さまざまの情報メディア上では、元号に関する解説や議論、新元号に関する予想が自由に、そして活発に展開された。有志による元号作成ツー […]

  • 岩崎文庫と和田維四郎氏【洒竹文庫及び和田維四郎氏2】

    村口 和田さんのお話をしましょう。久原文庫、岩崎文庫が出来る前に和田さんのお話をしないと連絡しません。雲村さんに御懇意を頂きましたのは、明治四十年頃と覚えております。 明治三十七年から四十年にかけて、私の店で貧弱な目録を四、五回出しました。その後の目録と覚えておりますが、書生さんが来て「左内坂の和田 […]

  • 洒竹文庫本の始末【洒竹文庫及び和田維四郎氏1】

    村口 実は震災で持っていた手びかえを焼きましたので、自分の記憶に止まっているところをポツポツやるのですから、あるいは月日等の相違、名前の相違等があるかも知れませんが、御不審があったら御質問下さい、もっとも御質問下すっても大概判らないかも知れませぬが(笑声)、今夕は大野洒竹文庫と、和田雲村文庫について […]