廝(かしわで)の任務 【会計報告書が語る古代の社会 9】

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  • 廝(かしわで)の任務 【会計報告書が語る古代の社会 9】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」からは、当時の料理人「廝」の任務も明らかになる。天皇に献上する特別な食材を運ぶ旅に同行した […]

  • 酒の記事の真実は 【会計報告書が語る古代の社会 8】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」に記されたとある高官への「酒」の支給量。規定の2倍もの酒が記されている。これは「誤記」なの […]

  • 女性皇太子と珠玉【会計報告書が語る古代の社会 7】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」に記された珍しい「珠玉を探す使者」の記録。この使者は、当時の女性皇太子(後の孝謙天皇)に仕 […]

  • 捕虜になった蝦夷―俘囚の旅―【会計報告書が語る古代の社会 6】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」には、東北地方で捕らえられた蝦夷の人々、「俘囚」たちの、遠く九州までの旅の記録が残されてい […]

  • 倉の中の穀の量り方【会計報告書が語る古代の社会 5】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 奈良時代の日本では、穀物の量を斛・斗・升などの単位で測っていた。しかし、枡で正確に測るのは難しかった […]

  • 国内を巡る国司の食事と業務【会計報告書が語る古代の社会 4】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 平安時代の地方官「国司」は、各地を巡って業務にあたった。「正税帳」には、そんな彼らの出張の様子や、そ […]

  • 古代馬のリアルな生涯【会計報告書が語る古代の社会 3】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 「正税帳」には古代の馬たちの生涯が記されている。献上される「御馬」や種馬「父馬」の待遇の違い、雨具を […]

  • 防人の帰郷の旅【会計報告書が語る古代の社会 2】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 奈良時代、遠い九州で国を守った防人たちが故郷へ帰る旅はどのようなものだったのか。「正税帳」には、彼ら […]

  • 古代人の病・老・死【会計報告書が語る古代の社会 1】

    奈良時代の正倉院文書に国ごとの会計の収支決算報告書「正税帳」が27通現存する。それを読み解くと、当時の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況までが見えてきた。 正税帳からわかること 正税帳は毎年国ごとに作成され、中央政府に提出されたその国の一年間の正税(田租や […]