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諸名家の宝庫を渉猟する

村口書房主 村口四郎氏【諸名家の宝庫を渉猟する0】

数多くの貴重な古典籍を扱った村口書房。その店主が語る稀有な証言。

本コラムでは、前回までの村口半次郎「洒竹文庫及び和田維四郎氏」(『紙魚の昔がたり』明治・大正編)に続いて、村口四郎「諸名家の宝庫を渉猟する」(『紙魚の昔がたり』昭和編)を23回にわたって全文掲載いたします。ご期待下さい。

村口四郎氏
村口書房主

明治四十二年十一月 東京に生、半次郎氏三男。
大正十一年三月 錦華小学校卒業。
昭和二年三月 私立開成中学校卒業。
昭和三年四月 明治大学商学部中退。
昭和十五年一月 父業継承。
昭和五十九年五月歿。
東京古書籍商業組合・全国古書籍協同組合理事長、東京古典会々長、ABAJ(日本古書籍商協会)会長等を歴任。

修行らしい修行もせず、準備もなく、偶然の事情で、壮年期に急に、この難しい古典籍業界に飛び入って、立派に成功した才人。又機略縦横、稀れに見る手腕家でしたが、ずるい所のない人柄。細事には無頓着ながら、ことの軽重を正しく計る聡明さにも恵まれた人。人をそらさぬ調子の好さは無類でしたから、多くの人から愛されました。

(つづく)


 

※このコラムは反町茂雄編『紙魚の昔がたり』(昭和篇)でお読みいただけます。

        

『紙魚の昔がたり』(昭和篇)  関連書・『紙魚の昔がたり』(明治大正篇)