オンラインストレージ・サービスの話 【文学・歴史資料のデジタル加工入門6】 (木越 治)
●オンラインストレージ・サービス利用体験
オンラインストレージサービス(クラウドストレージの名称もあるが、いまはこの名称で統一する)のことは、この連載でも何回か触れているが、近年とみに発達のいちじるしい分野である。また、自宅や職場以外でもwi-fiに容易にアクセスできるようになってきているので、使い慣れるととても便利である。だが、セキュリティの面以外にも、思わぬ落とし穴がある。私も何回か失敗したり、困った経験があるので、それらを少しまとめて書いてみよう。
私自身のオンラインストレージ・サービス利用体験は、以下のようである。
○ firestrage 2010年7月にユーザー登録
画像を含む大きなデータを「ここにあずけてありますからダウンロードしてください」というメールを受け取ったことがきっかけで、存在を知り、使うようになったサービスである。いまでも、大きなデータのやりとりにはよく利用している。ただし、無料契約の場合、最大で7日間までしか保存されないので、いわばデータの一時預りのようなものである。ゼミや研究会の参加者全員に同じデータを送るときにはとても便利であり、ダウンロードの際には、パスワードも設定できる。ただし、以下の①~⑤のように、複数のPCでwebを介してつねに同期させつつ同じデータを共有するのとは性質の違うものである。その種のものでは、以下の5種類を利用したことがある。
①dropbox
2010年7月にユーザー登録
2012年4月~2015年3月まで有料契約
・2012年4月~2013年3月まで 105.25ギガバイト/月額US$9.99 の契約
・2013年4月~ 106.25ギガバイト/年額US$89.08
*月額契約から年額契約への変更
・2014年8月~2015年3月まで 1テラバイト/年額$99.00
*サービス内容の変更に伴なうもの
2015年3月以後、6.25ギガバイトの無料サービスにダウングレード
*勤務先を退職したことによる
②SugarSync
2011年4月 30ギガバイトの年額契約(4,200円)
2012年4月 100ギガバイトの年額契約(12,600 円)
2013年4月 解約
③Googleドライブ
2016年7月100ギガバイトの月額契約($1.99 USD)
④OneDrive
2016年8月 5ギガバイトの無料ユーザー登録
⑤iDrive
2016年8月 5ギガバイトの無料ユーザー登録
基本的には、dropboxをメインの仕事場としてつねに使っている。この種のサービスを使い始めて以降、この点に関する限り変化はない。
この他に、研究上の蓄積データ(研究論文・研究資料・雑誌・月報等)をPDF化したものが約100ギガバイトあり、これらは、ハードディスクにも保存しているが、随時追加されるので、オンラインストレージ・サービス上に保存しておく方が便利なのである。このデータの置き場所が、SugarSync → dropbox → Googleドライブへと変ってきているわけである。
最近使い始めたOneDriveは、Windows 10にアップデートしたとき自動的に設定されたものであり、デジタルカメラで撮影した画像ファイル(スクリーンセーバー用)の置き場所として使うようになった。ただ、5ギガバイトだと、画像ファイルはすぐにいっぱいになるので、iDriveをその補助のような感じて使っている。この二者は目下試用中というところである。