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文学・歴史資料のデジタル加工入門

MS-DOSでできること・その3「削除系コマンドの使用法とバックアップ対策について」 【文学・歴史資料のデジタル加工入門5】 (木越 治)

いまは、わかりやすいようにdropboxフォルダを例にしたが、メインの作業場のフォルダに対して、こんなコマンドを実行することはまずないだろう(あるとすればPCを廃棄処分するときくらいか)。ただ、dropboxのなかにおいて作業していたフォルダの仕事が終わり、必要なバックアップ作業も終わっていれば、このコマンドを使って、きれいに消去してしまえるから、私はときどき使っている。

個人的な好みの問題だから押しつけるつもりは全くないが、私は、デスクトップにたくさんのアイコンを無秩序に置いてあるPCをみるとイライラしてくる人間である。自分の部屋を片づけることにはそんなに熱心ではないが、メインのPCの作業フォルダとか、バックアップ用の外付けハードディスクの中を整理することにはとても情熱を燃やす方である。

かつて、MS-DOSがメインであった頃、理系の学校に勤めていた国文学専攻の知人のためにPCの内部を私流に整理したことがある。あとで、コンピュータ室の若い先生が、そのPCをのぞいて、「とてもよく整理されている」と感心していたという話を聞かせてくれた。コンピュータ関連でいままでいわれたうち、一番うれしい褒め言葉である。

その流れで書くが、外付けハードディスクのファイル・フォルダの整理をWindows上で続けていたところ(かなり大きなファイル・フォルダのコピー・移動・削除を頻繁に繰り返す作業であるる)、整理して容量を増やしたはずなのに、まったく増えないどころか、逆に減っているのでびっくりしたことがある。調べてみると、どうやら、移動の時も削除の時ももとのファイルをいったん「ごみ箱(recycled.binという名前のがこれらしい)」に移動してから処理していることが原因らしいことがわかった。だから、これを空にしていくという作業を余儀なくされたわけだが、 Windows 上でやっている限り、なかなかきれいに消えてくれない感じがあった。

いま、調べたところでは、「ごみ箱」のプロパティの設定を変えれば、これを使わずにダイレクトに削除してしまうことが可能なようである。ただ、気がつかずに消去してしまいあわてて「ごみ箱」から救い出した経験が何度もあるので、ここのプロパティはあまりいじらない方が安全だと思う。

私は、クリーンに消去したいときだけ、MS-DOSの「del」 と「rd 」コマンドを「/s」オプション付きで使う、というふうに決めている。

何度も書くが、これらのコマンドを実行するときは、そのファイルが全く不要であることを確認し、二重・三重にバックアップをとったうえでやるようにすべきである。