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新刊納品

蔗軒日録・盲聾記(尊経閣善本影印集成76 第九輯鎌倉室町古記録 9回配本)

尊経閣善本影印集成76 第九輯 鎌倉室町古記録の第9回配本「蔗軒日録・盲聾記」が納品となりました。

蔗軒日録は、室町時代中期の禅僧、季弘大叔(一四二一~八七)の日記です。文明十六年~同十八年(一四八四~八六)が現存します。応仁・文明の乱当時の堺や遣明船に関する記述や、連歌師宗祇との交遊など、政治・社会・文化を知る貴重な史料です。尊経閣本は東福寺の剛外令柔(?~一六二七)が書写した唯一の古写本で、大日本古記録『蔗軒日録』の底本です。

盲聾記は、室町時代後期の医師、丹波保長(生没年未詳)の日記です。永正十七年(一五二〇)正月~六月が現存します。細川高国と同澄元との抗争にかかわる記事が詳しいです。また医者の日記は珍しく、調剤・診療など他の記録からうかがえない独特の内容も多く、極めて貴重です。

本巻には原本調査をふまえた書下ろしの解説も収録します。「蔗軒日録」については川本慎自先生先生(東京大学史料編纂所)に、「盲聾記」は末柄豊先生(東京大学史料編纂所)による解説です。

 

「蔗軒日録・盲聾記」は大日本古記録などの翻刻で読むことができますが、影印本でどのようなことを読みとくことができるのでしょうか。

「蔗軒日録」の解説を担当している東京大学史料編纂所の川本慎自先生が、影印本からわかることを、図版とともに実例をあげて書下ろしコラムで紹介します。ぜひご覧ください。

◆川本慎自先生(東京大学史料編纂所)
「高精細カラー画像で中世人の「声」を聞く―『蔗軒日録』の世界から」
https://company.books-yagi.co.jp/archives/7293


第9輯鎌倉室町古記録(全10冊)の収録書目は、日記の記主による自筆原本や唯一の古写本などの逸品ばかりで、公家・武家・僧侶・医者など多彩な人々が残した日記を収録しました。中世日記の世界をご堪能ください。

本第9輯では以下の書目を高精細カラー版でお届けします。詳細内容見本(12頁)はこちらからご覧いただけます。ご期待ください。

●所収書目
【公家】
実躬卿記(自筆原本・重要文化財)
宣陽門院御落飾記(唯一の古写本)
後愚昧記〔山門嗷訴記・実豊卿記〕(自筆原本)
公秀公記(自筆原本)
実隆公記(自筆原本)
【下級官僚】
外記日記〔新抄〕(唯一の古写本)
享禄二年外記日記(唯一の古写本)
【武家】
建治三年記(自筆原本・重要文化財)
【僧侶】
碧山日録(唯一の古写本)
蔗軒日録(唯一の古写本)
【医者】
盲聾記(自筆原本)


●尊経閣善本影印集成 第九輯 鎌倉室町古記録(全10冊)
https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2198

●9回配本76 蔗軒日録・盲聾記
https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2197