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出版部

【特設】『江戸大仏』内容紹介

2024年7月15日刊行の『江戸大仏』(三船温尚・杉本和江編)は、日本各地の江戸大仏を現地調査し、像内写真や3次元レーザー計測などの最新データから近世の鋳造技術に迫る一冊です。

A4判514頁、そして約1000点もの図版を掲載した大ボリュームの本書の魅力をご紹介いたします。

★掲載情報
『中外日報』ウェブサイトに本書の書評が掲載されました(2024/8/19)https://www.chugainippoh.co.jp/article/kanren/books/20240809-001.html

江戸大仏とは

江戸時代に造立された座高2.5メートルが基準となる大型鋳造青銅仏で、屋外に設置されるものを、本書では「江戸大仏」と称しています。
現在、関東を中心とする17都県に48体が確認されています。

★江戸大仏48+2体の所在をGoogle My Mapsで公開中!

★本書収録の48体の江戸大仏と2体の木造原型像の基礎データ一覧表を試し読みで公開中!

約1000点の図版・本文組見本を一部抜粋して紹介!

※画像を選択すると拡大画像が表示されます

★江戸大仏48体の外観を全点カラー掲載!

★同大同形3体の3Dポリゴン比較図

★最新技術で仏像の厚みを計測!

★像内写真112点を初公開!

★奇跡の発見!鋳型の原型となった木造原型像

★本文組見本

著者解説コラム

インターネット書評サイト「ALL REVIEWS」で、『江戸大仏』著者の三船温尚先生による解説コラムが公開中!

◆江戸大仏はなぜ巨大化し全国に広がったのか

江戸時代に各地でつくられた48体の青銅大型仏「江戸大仏」。
自動車のエンジンなどの金属部品と同じ「鋳造(ちゅうぞう)」でつくられた江戸大仏を最新調査で読み解き、重さ2トン、高さ5メートルを超える巨大な大仏をどうやってつくったのか、その理由や背景に迫ります。

江戸大仏の工程

★大仏ってどうやってつくるの?という素朴な疑問を、分かりやすく図で解説!



書籍詳細

江戸大仏
三船温尚(鋳造技術史)・杉本和江(近世の金属製造業史)編
本体価格22,000円+税
初版発行:2024年7月15日
A4判・上製・カバー装・514頁
ISBN 978-4-8406-2278-3 C3071


本書収録の江戸大仏

●岩手県
 普門寺大仏(1818年製作)
●福島県
 御代の大仏(光西寺・1778年製作)
 蓮家寺阿弥陀如来坐像(1733年製作)
●群馬県
 茂林寺聖観音菩薩坐像(1690年製作)
●栃木県
 光明寺不動明王坐像(1759年製作)
 宇都宮大仏(善願寺・1735年製作)
 淨蓮寺地蔵菩薩半跏坐像(1773年製作)
 佐野大仏(観音寺大仏)(1669年製作)
 寶龍寺大仏(1694年製作)
 芳全寺阿弥陀如来坐像(1742年製作)
●埼玉県
 吉見大仏(安楽寺・1791年製作)
●千葉県
 鎌ケ谷大仏(鎌ケ谷大仏墓地・1776年製作)
 法華経寺中山大仏(1719年製作)
 長沼の駒形大仏(駒形観音堂・1703年製作)
 円福寺阿弥陀如来坐像(1711年製作)
●東京都
 霊巌寺地蔵菩薩坐像(江戸六地蔵・江東区・1717年製作)
 浄土寺地蔵菩薩坐像(港区・1719年製作)
 浄光寺地蔵菩薩立像(東都六地蔵 第三番・荒川区・1690年製作)
 西迎寺阿弥陀如来坐像(新宿区・1694年製作)
 太宗寺地蔵菩薩坐像(江戸六地蔵・新宿区・1712年製作)
 西光院大日如来坐像(積善寺・足立区・1699年製作)
 九品寺大仏(台東区・1660年製作)
 上野大仏(寛永寺・台東区・1855年製作~)
 天嶽院阿弥陀如来坐像(遍照寺・台東区・1680年製作)
 浅草寺聖観音菩薩坐像(台東区・1687年製作)
 浅草寺勢至菩薩坐像(台東区・1687年製作)
 浅草寺阿弥陀如来坐像(台東区・1693年製作)
 天王寺大仏(台東区・1690年製作)
 東禅寺地蔵菩薩坐像(江戸六地蔵・台東区・1710年製作)
 品川寺地蔵菩薩坐像(江戸六地蔵・品川区・1708年製作)
 専念寺地蔵菩薩立像(東都六地蔵 第二番・文京区・1690年製作)
 護国寺大仏(筑波大仏)(文京区・1727年製作)
 吉祥寺大仏(文京区・1722年製作)
 眞性寺地蔵菩薩坐像(江戸六地蔵・豊島区・1714年製作)
 回向院阿弥陀如来坐像(墨田区・1705年製作)
 瀧泉寺大日如来坐像(目黒区・1683年製作)
●神奈川県
 徳常院延命地蔵菩薩半跏像(1713年製作)
●山梨県
 甲斐善光寺釈迦如来坐像(1841年製作頃)
●静岡県
 遍照寺大日如来坐像(1718年製作)
●長野県
 信州善光寺ぬれ仏(1722年製作)
●福井県
 月光寺大仏(武生大仏)(1846年製作)
●岐阜県
 佐吉大仏(大仏寺・1759年製作)
●愛知県
 興正寺大日如来坐像(1697年製作)
 七寺大日如来坐像(1738年製作)
●三重県
 美濃田真楽寺大仏(1739年製作)
●和歌山県
 無量光寺首大仏(1840年製作)
●岡山県
 誕生寺大仏(1745年製作)
●香川県
 弥谷寺金剛拳菩薩立像(1811年製作)

●神奈川県
 光明寺木造地蔵菩薩坐像(信州善光寺ぬれ仏(1722年製)の原型像)
●栃木県
 さくら市ミュージアム荒井寛方記念館所蔵木造不動明王坐像(光明寺不動明王坐像・1759年製作の原型像)

目次

調査内容と大仏状況
用語と解説
いわゆる「大仏」とは何か—その大きさを中心に—(武笠朗)
江戸大仏48体の基礎データ一覧表(像名・製作年・製作者・願主・銘文など)
Ⅰ 資料編(全80頁)
 【カラー口絵】(全56頁)
1 幕末・明治に撮影された江戸大仏
2 調査した江戸大仏
  1 48体の江戸大仏(本書掲載の江戸大仏)
  2 江戸大仏の像内写真
3 2体の江戸大仏の木造原型像と製品鋳銅像
4 3D計測による茂林寺聖観音菩薩坐像ほかの形状重ね図検証
5 江戸大仏の金彩と彩色絵図
6 法華経寺中山大仏の解体修理時の調査図(1)
  1 蓮華座・基壇の発掘
  2 3D計測による厚み分布図
  3 3D計測による法華経寺中山大仏の蓮弁の鋳造シミュレーション解析図
 【モノクロ口絵】(全24頁)
7 3D計測による木造原型像と鋳銅製品像のポリゴン図比較
8 茂林寺聖観音菩薩坐像ほかの部分写真・ポリゴン図
9 銘文・関連資料・文書の写真
10法華経寺中山大仏の解体修理時の調査図(2)
  1 3D計測によるポリゴン図
  2 法華経寺中山大仏の部品図
  3 法華経寺中山大仏の堰・補修の調査図
  4 法華経寺中山大仏の鋳接法の痕跡図
Ⅱ 研究編(全350頁)
1 江戸大仏48体の調査研究
2 解体修理にともなう法華経寺中山大仏の調査研究
  1 蓮台・基壇の発掘(本間岳人)
  2 銘文の記録と解読(本間俊文)
  3 青銅の分析と鋳造シミュレーション(長柄毅一)
  4 残存鋳型土の成分分析と鋳造場所の検討(飯塚義之)
  5 法華経寺中山大仏の鋳造技法(三船温尚)
Ⅲ 総合研究編(全50頁)
1 江戸大仏の造形の変遷と特徴(三宮千佳)
2 江戸時代の鋳物産業(杉本和江)
3 江戸大仏の鋳造技術の変遷と特徴(三船温尚)