「日本古書通信」1月号(89巻1号)12月30日発売
主要目次
杉浦 静 宮沢賢治の習字した俳句と今井柏浦編『最近新二万句(集)』
川島幸希 「署名本の世界」みたび7 永井荷風私家版『腕くらべ』神代種亮宛
竹居明男 続・「七福神」と「宝船」に関する文献抄―架空の稀覯資料から
塩村 耕 新たに判明した中根東里の逸事
鈴木地蔵 文庫本ひろい
松本 徹 本棚の風景
小林昌樹 写真絵葉書には古書店もあり 図書館絵葉書を集めて3
牧村健一郎 山尾庸三と明治7 工部大学校の創設
高木浩明 古活字探偵事件帖13 伝嵯峨本の行方
田坂憲二 吉井勇の読書生活13 新村出『雨月』を読む
安藤武彦 『徳元千句』所収、鷹詞之誹諧独吟訳稿
小野純一 リレー連載「ミステリ懐旧三面鏡」28《はじめの四冊には「帯」はあるのか?》
石川 透 奈良絵本・絵巻の研究と収集52 蓬莱山
森 登 銅・石版画万華鏡196 新聞附録の年画
その他
新聞附録の年画(森登)より
画一的で暗いニュースを読みたくないせいか、新聞を取らなくなって久しい。親の仕事が新聞記者だったことや筆者が出版社勤めだったので、かつては元旦の新聞が気になった。普段は一紙だけだが、元旦は朝日・讀賣・毎日・日経と分厚い新聞を買い求めた。各社それぞれ別紙に力を入れており、年間催事の企画や広告中の出版社の新刊企画を注意深く見たことであった。それと別紙一面にカラー図版で掲載された作品を、誰が描いているのか関心がもたれた。新年を飾る新聞附録の最後の姿かもしれない。
『明治事物起源』(明治文化全集別巻版)の「新聞紙新年附録の始」(609頁)によると、「明治初期の新聞紙類は、新年初摺にても、平日号と些の相違なく」と述べ、「明治十年代になれば、何れも、本紙の外に、附録という景物のつくのが普通となれり」とある。さらには「それが又一歩進みて、新聞紙も一種の商品とはなりし。二十三年(寅)の初摺に、東京朝日新聞が、応挙筆の虎の絵を、小口木版に摺り成し、新年附録として、読者に配り、江湖の喝采を博したり、この後、各社とも、新年の附録には、あたまを悩ますことゝなれり」とあり、競って印刷に工夫を凝らした附録が作り出されることになる。
1月号 12月30日発売 定価750円(送料79円) ※ご注文はメールまたは電話、FAXで。
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