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日本古書通信

「日本古書通信」11月号(88巻11号)11月15日発売

主要目次

川島幸希 「署名本の世界」みたび5 志賀直哉『留女』武者小路実篤・房子宛
白戸満喜子 竹紙の本質―魂をつなぐ紙
小林昌樹 絵葉書は過去のしずくの受け皿か―図書館絵葉書を集めて1
小林 修 日露戦争の外国新聞報道表象
千森幹子 イギリス・ケンブリッジの古本屋
竹居明男 『国華余芳』覚書―架蔵三冊本からの問題提起
牧村健一郎 山尾庸三と明治5 障害者教育の先駆者として
高木浩明 古活字探偵事件帖11 誤脱の理由
田坂憲二 吉井勇の読書生活11―木下杢太郎を読む・上
小山力也 リレー連載「ミステリ懐旧三面鏡」26《「点と線」に関わる私の幾つかの行動》
石川 透 奈良絵本・絵巻の研究と収集50 猫の草紙
岡崎武志 昨日も今日も古本さんぽ157 和歌山市「紀国堂」奈良市「智林堂」
樽見 博 青木正美さん逝く(全連ニュース掲載・懐かしき古書店主たちの談話1の再録)
三昧堂 諷詠十一月

その他

絵葉書は過去のしずくの受け皿か(小林昌樹)より

あれは、秋葉原で無差別殺人に巻き込まれそうになった後だったか、2006年6月に、ふと「図書館の絵葉書を集めると面白いかも」と気づいた。それからネット、東京中の古書展、骨董市、絵葉書交換会をはじめ、果ては京都のお土産屋さんに至るまで、あらゆる販売場所で絵葉書を漁って幾星霜、数千枚の図書館絵葉書が集まった(書店・古書店や読書場面の絵葉書も少しある)。
調べてみると、絵葉書というもの、我々の常識「絵葉書=観光地みやげ」に収まらないメディアだったらしい。そのことは絵葉書研究で佐藤健二『風景の生産・風景の解放』(講談社、1994)が取り上げているし、同人も執筆した『巷の目撃者 : 絵はがきがとらえた明治・大正・昭和 : 新宿歴史博物館特別展図録』(新宿区教育委員会、1999)では絵葉書出版の全体像が判る。
とりあえず絵葉書を絵画系と写真系に分けると、写真系は、戦後的な言葉でいうと写真週刊誌、ブロマイド、記念アルバムといったものの役割を果たしていた。ネット普及以前の両書のたとえで言えば、特に写真系の絵葉書は「写真週刊誌」であり、今の私に言わせればインスタグラムである。


11月号 11月15日発売 定価750円(送料79円) ※ご注文はメールまたは電話、FAXで。

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