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出版部

書評サイトALL REVIEWS掲載記事一覧(2022年8月現在)

これまでALL REVIEWSに掲載された記事をまとめました。

※各記事のタイトルは本文中の見出しの一部などからとっています。

律令制国家の理念と実像をもとめて(2022年8月公開)

『律令制国家の理念と実像』 【書き手】吉村武彦
https://allreviews.jp/review/5928

律令法の施行により法治国家として体系的に整備されていった日本の古代国家。律令法による日本の新しい国づくりと、従来の諸制度や慣習との折りあいはいかになされたのか。

六国史以前の史書と古事記偽書説(2022年7月公開)

『日本古代史書研究』 【書き手】関根淳
https://allreviews.jp/review/5910

日本の古代文化を知るうえで欠かせない、日本書紀に始まる六国史と古事記。現存しないが、それ以前にも歴史書が存在した。幻の史書から解きほぐした、古代史書の通史誕生。

豪族葛城氏の枢要の地、葛城(2022年6月公開)

『葛城の考古学:先史・古代研究の最前線』 【書き手】松田真一
https://allreviews.jp/review/5888

奈良盆地の南西部にあたる葛城の地には、歴史上重要な遺跡が数多く存在する。古墳や寺院など多種多様であるが、なかでも五世紀代に強大な勢力を誇った古代大和の豪族葛城氏が有名だ。近年重要な発見があいつぐ最重要の地・葛城について、最新の考古学の新知見をふまえると、いったいどのような歴史が見えてくるのか。

乱世を知らない武士たち(2022年5月公開)

『瑞龍公実録』 【書き手】藤田英昭
https://allreviews.jp/review/5842

記録の少ない江戸時代初期の重要史料のひとつ、徳川林政史研究所所蔵の「瑞龍公実録(ずいりゅうこうじつろく)」が初めて全文翻刻された。本書は、尾張徳川家2代当主徳川光友(寛永2年〔1625〕~元禄13年〔1700〕)の事績録で、書名は法諡に由来する。このたびの出版には「瑞龍院様御代奉書并御書付類之写」も参考史料として収録。その内容、読みどころを校訂者が紹介する。

キリシタン時代の文語・口語を知る教科書、誕生!(2022年4月公開)

『キリシタン語学入門』 【書き手】岸本恵実・白井純
https://allreviews.jp/review/5833

400年ほどまえの信長・秀吉・家康の活躍した時代、カトリックの教義を現地の日本語で宣教するために、キリシタン文献が出版された。当時の話し言葉、書き言葉を知る手がかりとなるこのキリシタン文献を読解するためには、どのような知識が必要となるのか。また、国際学会などで広く発信される「宣教に伴う言語学」とはどのような学問なのか。

信長が殺されたそのとき、光秀は本能寺にいなかった!(2022年3月公開)

『異聞 本能寺の変: 『乙夜之書物』が記す光秀の乱』 【書き手】萩原大輔
https://allreviews.jp/review/5813

朝日新聞ほか、メディアで大きく取り上げられた新発見の史料『乙夜之書物』を徹底解読し、戦国史最大の謎に迫る。

須恵器は何故受容され消滅したのか―須恵器の歴史をたどる―(2022年2月公開)

『須恵器研究の新視角』 【書き手】渡辺一
https://allreviews.jp/review/5769

古代社会を支えた須恵器の受容・生産・流通・消滅を通史的・文化史的な観点から検討。新視角で論じる須恵器研究の決定版!

加賀百万石、前田家が収集した古文書の精髄! その由来を紹介(2022年1月公開)

『武家手鑑 付旧武家手鑑』 【書き手】菊池浩幸・栁田甫
https://allreviews.jp/review/5752

平忠盛・清盛・宗盛、源義朝・頼朝・義経、北条氏、足利氏、信長・秀吉・家康など、名だたる武将が発給した古文書を高精細カラー版で刊行!

歴代上皇・法皇の正当な業績評価に向けて(2021年12月公開)

『上皇と法皇の歴史:仙洞年代記』 【書き手】槇道雄
https://allreviews.jp/review/5728

院政時代に限らず、歴代上皇・法皇の歴史や院政形態の全体像をわかりやすく解説した年代記を発刊。著者がその読みどころを紹介。

情報を記憶し、記録する(2021年11月公開)

『日本古代の記憶と典籍』 【書き手】長谷部将司
https://allreviews.jp/review/5700

口承の世界から文字による記録へと置き換わった古代の日本において、人々の「記憶」はいかに形成されたのだろうか。

様々な階層の俳人たちの第一級筆跡資料(2021年10月公開)

『誹諧短冊手鑑』 【書き手】永井一彰
https://allreviews.jp/review/5674

本書編者が2010年に入手した短冊帖は、江戸初期の著名俳人を網羅する驚愕の新出資料であった。保存状態極美のその姿を、高精細カラー図版と詳細な解説で紹介!

ボクサーの業績(2021年9月公開)

『キリシタン世紀の日本』 【書き手】高瀬弘一郎
https://allreviews.jp/review/5638https://allreviews.jp/review/5611

キリシタンが日本で布教活動を活発に行い、日本文化に強い影響を与えた戦国時代。イギリス人研究者のC・R・ボクサーが戦国時代のキリシタン史を叙述した『キリシタン世紀の日本』(初版1951年)が、日欧交渉史の泰斗により70年のときを経て日本語に翻訳し刊行された。なぜいま翻訳本が刊行されたのか。著者ボクサーの生涯を振り返り、その意義を考える。

宇治堀家文書翻刻の意義…(2021年8月公開)

『宇治堀家文書』史料纂集古文書編 【書き手】橋本素子
https://allreviews.jp/review/5611

静岡茶、狭山茶と並んで日本三大茶と呼ばれる宇治茶。しかしその長大な歴史とは裏腹に、宇治茶師の家の文書はほとんど現代に残っておりません。今回は、中近世移行期に繁栄を見せた茶業の様子を知ることができる唯一の文書群といえる『宇治堀家文書』の見どころについて、編者橋本素子による解説を公開いたします。

傑作に潜む蠱惑的な謎 ―上田秋成『春雨物語』の新出自筆本―(2021年7月公開)

『天理図書館所蔵 春雨物語:羽倉本・天理冊子本・西荘本』 【書き手】飯倉洋一
https://allreviews.jp/review/5567https://allreviews.jp/review/5611

佐藤春夫・芥川龍之介・谷崎潤一郎・石川淳らが激賞した上田秋成晩年の傑作短編集『春雨物語』。写本でのみ伝えられた本作に、突如出現した新出自筆本がもたらす数々の謎とは。

応仁・文明の乱ののち、経済的に困窮する朝廷と権力の凋落が著しい足利幕府とのせめぎあい!?(2021年6月公開)

『守光公記 第2』史料纂集古記録編 【書き手】鶴崎裕雄
https://allreviews.jp/review/5519

公家と武家のはざまで交渉に苦労する武家伝奏広橋守光の日記を、32年の歳月をかけ、翻刻出版が完成!

平家物語と中国語の発音―室町時代の禅僧が見聞きした中世人の肉声とは?(2021年5月公開)

『蔗軒日録・盲聾記』尊経閣善本影印集成76 【書き手】川本慎自
https://allreviews.jp/review/5500

いまから約500年前に書かれた室町時代の禅僧季弘の日記『蔗軒日録』。季弘は数多くの訪問者と出会い、その時の会話が日記『蔗軒日録』に残されている。禅僧の普段の生活では触れることのない目新しいものであったようで、季弘は詳細に日記に書き留めている。ではそれはどんな話だったのだろうか。

『楽只堂年録』完結をめぐって(2021年4月公開)

『楽只堂年録 第9』史料纂集古記録編 【書き手】宮川葉子
https://allreviews.jp/review/5458

『楽只堂年録』は、柳沢吉保(1658~1714)の公用日記である。原本は、財団法人郡山城史跡・柳沢文庫保存会、略称「柳沢文庫」所蔵。楽只堂は吉保の号。彼は徳川5代将軍綱吉(生没1646~1709、在職1680~1709)の側用人として大老格に到った。時代劇では「名悪役」として描かれることの多い吉保はいかなる政治家だったか、その実態に迫る。

言霊のドラマ―秀吉はなぜ連歌師紹巴を寵遇したのか?(2021年3月公開)

『連歌巻子本集2』新天理図書館善本叢書32 【書き手】尾崎千佳
https://allreviews.jp/review/5431

明智光秀・細川幽斎等の戦国武将と親交を結び、天下人秀吉に接近した連歌師紹巴。宿願成就の力が宿ると信じられた紹巴の連歌は、いわば戦国時代の言霊であった。秀吉政権下、公武・都鄙の有力者たちがこぞって紹巴の連歌に惹きつけられたのはなぜか。高精細フルカラーにより映し出される紹巴連歌の核心とドラマに迫る。

正倉院文書のハンコ(2021年2月公開)

『日本古代の文書行政:正倉院文書の形成と復原』 【書き手】矢越葉子
https://allreviews.jp/review/5340

「ハンコ文化」と称されるほど印が広く一般に利用されるようになったのは江戸時代以降とされる。それでは、それ以前の社会ではどうであったのか。

芭蕉自筆の名品コレクション!「鯉屋物」とは何か?(2021年1月公開)

『芭蕉集 自筆本・鯉屋物』新天理図書館善本叢書34 【書き手】大橋正叔
https://allreviews.jp/review/5271

芭蕉の高弟で後援者でもあった杉山杉風(さんぷう)の家に代々伝わった芭蕉関連資料は、杉山家の屋号から「鯉屋物」と称され、稀有な芭蕉真蹟(自筆資料)コレクションとなっている。その全貌を伝えるオールカラー版『芭蕉集 自筆本・鯉屋物』の解題を抜粋公開。

「寛政の改革」を断行した松平定信の晩年の日記(2020年12月公開)

『花月日記 第1』史料纂集古記録編 【書き手】岡嶌偉久子
https://allreviews.jp/review/5204

「寛政の改革」後、引退して白河藩下屋敷に隠棲して以降、17年間の長期にわたる詳細な記録。幕政を離れ、引退後の日々の日常が書かれたその日記には、数多くの和歌とともに家族や親族、友人たちが登場し、ところどころに定信の人物評伝などが散りばめられている。

古代から現代まで、1300年読み継がれた正史(2020年11月公開)

『日本書紀の誕生―編纂と受容の歴史―』 【書き手】河内春人
https://allreviews.jp/review/5126

今からちょうど1300年前の720年、日本最初の正史として『日本書紀』本文30巻、系図1巻ができあがった。系図こそ散逸したが、本文30巻は書き写され、伝えられ、そして多くの人に読まれてきた。源氏物語の作者・紫式部も読者の一人である。現在も燦然と輝くこの正史はいかにつくられ、読み継がれたのか。その歴史をたどる。

後白河法皇が『梁塵秘抄』にまとめた「今様歌」。現代に甦った平安の王朝びとの心の歌声とは?(2020年10月公開)

『梁塵秘詳解 神分編』 【書き手】永池健二
https://allreviews.jp/review/5038

後白河法皇が自らまとめた『梁塵秘抄』。その「神分」編に収められる今様神歌全35首に歌われたのは、威厳ある大社に祀られる大神から、祟りなす悪神・呪詛神まで様々であった。跳梁する神々を崇め敬い、怖れ忌避した王朝びとの心の歌声について、書き下ろしで解説。

伊勢神宮の中世史料をめぐる状況(2020年9月公開)

『氏経卿神事記』史料纂集古記録編 【書き手】比企貴之
https://allreviews.jp/review/4951

『史料纂集古記録編 氏経卿神事記』は、全2冊からなる、15世紀前半から末期にかけての伊勢神宮(内宮)の禰宜のひとりである荒木田(藤波)氏経という人物が記した古記録の翻刻である。
内宮の年中諸祭儀を執り行う日々の様子、そして殿舎の状況や宮域の様子など内宮の歴史的景観のほか、記述は「門前町」ともいうべき宇治の市井の風景や伊勢神宮周辺域一帯の政治的情勢にまでおよぶ。

希少なキリシタン版の辞書(2020年8月公開)

『リオ・デ・ジャネイロ国立図書館蔵 日葡辞書』 【書き手】白井純
https://allreviews.jp/review/4829

400年前の戦国時代の日本語を知る最重要資料『日葡辞書』。2018年、中南米大陸ブラジルで初めて発見された日本のキリシタン版辞書を、高精細・原寸カラー版で初公開。現地ブラジルでの調査に基づく詳細な解説とともにお届けします。

臭い漂う中世の内野と古池、この荒れ果てた地域には一体何があったのだろうか(2020年7月公開)

『中世天皇家の作法と律令制の残像』 【書き手】久水俊和
https://allreviews.jp/review/4719

およそ600年前の室町時代、京都。その「常識」を覆し、荒廃する大内裏の官庁街であっても、国家的機能を十分に果たしていたことを明らかに。各種文献・考古学の成果を存分に反映した最新の研究書を、著者自らの書き下ろしで解説。