「日本古書通信」2020年12月号(12月14日発売)
主要目次
特集
八木書店 近代日本文人の葉書5
竹居明男 戦前の「内容見本」抄―書架蔵のコレクションから
鈴木 光 『谷崎潤一郎と書物』を手にして
渡辺 滋 黒田甲子郎の人生5(完)
石川 透 奈良絵本・絵巻の研究と収集15
小此木敏明 古書資料館の蔵書24最終回
川口敦子 パスポートと入館証 準備よし!24
中嶋 廣 一身にして二生を経る 52
岡崎武志 昨日も今日も古本さんぽ122 長野市上田市
森 登 銅・石版画万華鏡 160 玉堂宛江漢書簡
小田光雄 古本屋散策 225 内外タイムス文化部と原竜次
出久根達郎 本卦還りの本と卦 164 交流
2020年~21年冬の古書即売展一覧
戦前の「内容見本」抄―書架蔵のコレクションから(竹居明男)より
内容見本の性質上、多くは保存されない一方で、入手は偶然の機会にたよらざるを得ず、網羅的収集は難しい。そのためもあって、内容見本類を、ある程度まとまった形で論じた書物は、紀田順一郎氏の『内容見本にみる出版昭和史』(本の雑誌社、1992年)が唯一であり(のち1998年に、一篇を追加して『紀田順一郎著作集』第8巻に再録)、今も私の愛読書の一つである。
ところが令和改元の年に至って、国文学者の長坂成行氏が、昭和40年代後半から平成年間に発行された国文学関係の内容見本の詳細なる解題を収録した大著『内容見本に見る昭和・平成の国文学関係書』(私家版。「内容見本関係文献抄」も掲載)を刊行された。続いて古書肆梁山泊店主島元健作氏が『戦前版内容見本書影輯成』(『書砦』第49号)を発刊され、小冊子ながら昭和20(1945)年以前の内容見本の書影460点余(ごく一部重複がある)をオールカラーで掲載された。
私も、大学生時代の昭和40年代後半から今日に至るまでの半世紀に、新刊書店(無料配布)を中心に、古書店や古書市等でも収集を心がけてきたが、数年前に京都下鴨の古本祭会場にて約千数百点(大正~昭和30年頃中心)を一括購入し(ただし表紙欠落品が少なくなかった)、最近にも、懇意の古書店から、処分予定品を何度か譲り受ける機会に恵まれ、コレクションは一気に充実してきた。
そこで小稿では、島元健作氏の右記冊子に準拠し、同じく昭和20年以前の架蔵内容見本類から、同冊子には掲載されていないもの(同一叢書でも、巻数や表紙の異なるもの、普及版・増補版等の発行に際しての異版等も)約550点(2020年8月現在)を順次列挙・紹介していきたいと思う。
【お知らせ】
本誌は来年3月号で通巻1100号を迎えます。それを記念して、八木書店古書部が30年間に亘って蒐集してきた、近代文人の葉書1700名1700枚を全て画像付きの販売目録を兼ねた記事として、本年8月号より3年間に亘り掲載していくことになりました。講談社『日本近代文学大事典』人名索引に掲載された文人を五十音順に掲載していきます。
ネットでの公開販売はなく、本誌定期購読者のみへの販売となります。
連載を保存することで、近代文人筆跡の参考文献となります。この機会に定期購読の契約をお勧めいたします。
12月号 12月14日発売 定価750円(送料79円)※ご注文はメールまたは電話、FAXで。
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