• twitter
  • facebook
新刊納品

尊経閣善本影印集成71 公秀公記・実隆公記・建治三年記〔第九輯 鎌倉室町古記録〕

本日、尊尊経閣善本影印集成71「公秀公記・実隆公記・建治三年記」〔第九輯 鎌倉室町古記録〕が納品となりました。

実躬の子が記した鎌倉時代後期の記録「公秀公記」、具注暦の表裏に書かれた自筆原本「実隆公記」、鎌倉幕府の評定衆で問注所の執事の公務日記「建治三年記」の3書目を収録しています。原本調査を踏まえた、尾上陽介・末柄豊・高橋典幸3先生による書下ろし解説も収録しています。ぜひご覧ください。

●公秀公記

〔解説〕尾上陽介
権大納言藤原(正親町三条)実躬の子、内大臣公秀(一二八五~一三六三)の日記。永仁六年(一二九八)~貞和元年(一三四五)までの記事が断続的に伝わる。記録の少ない鎌倉時代後期において、比較的まとまったものとして貴重である。
尊経閣本は延慶元年(徳治三年、一三〇八)正月~八月を所収する自筆原本で、日記と紙背文書があるがともに未翻刻であり、今回の影印が初公開となる。

●実隆公記


〔解説〕末柄豊
学者・歌人として当代第一人者だった内大臣三条西実隆(一四五五~一五三七)の日記。文明六年正月~天文五年(一四七四~一五三六)二月が現存する。応仁・文明の乱後の政治・社会情勢を知ることができ、文化史研究においても必須の史料である。
尊経閣本は文明十三年(一四八一)正月~七月を所収し、間明き三行の具注暦に書かれた自筆原本で、裏書きもある。同記原本のうち具注暦に記されたのは本巻のみで、貴重である。

 

●建治三年記


〔解説〕高橋典幸
鎌倉幕府の評定衆で、問注所の執事だった太田(三善)康有(一二二九~九〇)の公務日記。建治三年(一二七七)正月から十二月までの六十八日分の記事を抄出し幕府へ提出したものである。わずか六十八日だが、文永・弘安の役の中間にあたり、当時の緊迫した時局を反映する記事がみられるなど貴重である。
尊経閣本は康有自身が抄写したとされる金沢文庫旧蔵本に属する本で、重要文化財に指定される。

【目次】

「公秀公記」〔所収〕延慶元年(徳治三年、1308)
「実隆公記」〔所収〕文明十三年(1481)
「建治三年記」〔所収〕建治三年(1277)


第9輯鎌倉室町古記録(全10冊)の収録書目は、日記の記主による自筆原本や唯一の古写本などの逸品ばかりで、公家・武家・僧侶・医者など多彩な人々が残した日記を収録しました。中世日記の世界をご堪能ください。

本第9輯では以下の書目を高精細カラー版でお届けします。詳細内容見本(12頁)はこちらからご覧いただけます。ご期待ください。

●所収書目
【公家】
実躬卿記(自筆原本・重要文化財)
宣陽門院御落飾記(唯一の古写本)
後愚昧記〔山門嗷訴記・実豊卿記〕(自筆原本)
公秀公記(自筆原本)
実隆公記(自筆原本)
【下級官僚】
外記日記〔新抄〕(唯一の古写本)
享禄二年外記日記(唯一の古写本)
【武家】
建治三年記(自筆原本・重要文化財)
【僧侶】
碧山日録(唯一の古写本)
蔗軒日録(唯一の古写本)
【医者】
盲聾記(自筆原本)


●尊経閣善本影印集成 第九輯 鎌倉室町古記録(全10巻)
https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/219

●7回配本71 公秀公記・実隆公記・建治三年記〔第九輯 鎌倉室町古記録〕
https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2192