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日本古書通信

「日本古書通信」2020年9月号(9月14日発売)

主要目次

特集
八木書店 近代日本文人葉書2

本と人
中島義彦 源氏物語・袖珍本二題
小野純一 大阪圭吉自筆資料集成の刊行
渡辺 滋 黒田甲子郎の人生2
千森幹子 武井武雄の『ガリヴァー旅行記』図像3
片桐一男 片桐蘭学資料の寄贈
石川 透 奈良絵本・絵巻の研究と収集12
岡崎武志 昨日も今日も古本さんぽ119
小田光雄 古本屋散策 222
出久根達郎 本卦還りの本と卦 161 コツコルド

その他

大阪圭吉を追い続ける旅(盛林堂書房 小野純一)より

大阪圭吉の知名度はどのくらいなのだろうか? 国内探偵小説がお好きであれば、ご存じの方は多いと思う。しかし、江戸川乱歩や横溝正史のように誰もが知っている探偵作家ではないだろう。

大阪圭吉は、明治45年、愛知県新城市生まれ。本名・鈴木福太郎。執筆時の別名義に、大坂圭吉・岬潮太郎がある。昭和七年に、探偵小説作家・甲賀三郎の推薦によって、「デパートの絞刑吏」を『新青年』に発表してデビュー。以後、『新青年』『ぷろふいる』を中心に短篇探偵小説を発表し、昭和十一年に初の単行本『死の快走船』(ぷろふいる社)が刊行された。その後も探偵小説の創作活動を続けるが、日中戦争の勃発以降、急激に戦時体制が強まったため、探偵小説の執筆が困難となり、明朗小説、防諜(スパイ)小説、秘境小説、捕物小説と様々な作品の執筆に転じることとなった。昭和17年に上京、日本文学報国会に勤務しながら、執筆を続ける。昭和18年、太平洋戦争激化に伴い、応召。満州からフィリピンへと転戦し、昭和20年7月2日、ルソン島にて病死。享年33。約11年の作家人生のなかで、小説・エッセイ・アンケートへの回答など、約150点の作品を執筆し、8冊の単行本が刊行された。

【お知らせ】

本誌は来年3月号で通巻1100号を迎えます。それを記念して、八木書店古書部が30年間に亘って蒐集してきた、近代文人の葉書1700名1700枚を全て画像付きの販売目録を兼ねた記事として、本年8月号より3年間に亘り掲載していくことになりました。講談社『日本近代文学大事典』人名索引に掲載された文人を五十音順に掲載していきます。
ネットでの公開販売はなく、本誌定期購読者のみへの販売となります。
連載を保存することで、近代文人筆跡の参考文献となります。この機会に定期購読の契約をお勧めいたします。


9月号 9月14日発売 定価750円(送料79円)※ご注文はメールまたは電話、FAXで。

株式会社日本古書通信社
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