• twitter
  • facebook
新刊納品

「広開土王碑」を拓本画像にあたって再検証 『明治大学図書館所蔵 高句麗広開土王碑拓本』刊行

高句麗第19代の国王、広開土王(好太王)の顕彰碑「広開土王碑」。4世紀の日本(倭国)と朝鮮半島を知る唯一のものとして、歴史の教科書にも登場する「超有名」な資料です。

碑文は現在の中国吉林省集安市に現存しますが、1600年ものあいだ風雨にさらされて、文字が見づらくなっています。そこで、碑文から写し取られた拓本を読み解くことこそが碑文読解の鍵となります。

ところが、拓本にあたって読んだことがある人はどれほどいるでしょうか。ほとんどの人は活字本を参照しているのではないでしょうか。

それには理由があります。拓本の写真を手軽に見る環境が整っていなかったからです。碑文の読解には、拓本画像を検証することことが必要なのです。100種類以上現存するといわれる拓本のなかから、どの拓本をみればよいのか、という指標も欠かせません。

こうした現状をふまえ、このたび刊行した『明治大学図書館所蔵 高句麗広開土王碑拓本』では、新たに見つかった明治大学図書館所蔵本の2種を含む重要な拓本7種を厳選し、全拓本の画像と釈文を一覧にしました。その結果、拓本画像による釈文の再検証がだれでもできるようになりました。


あわせて、高句麗広開土王碑と並ぶ重要資料「集安高句麗碑」の解説・全文翻刻を併載。論考編には、日本と中国の専門家が、最新の知見を書き下ろした論考7本を収録しています。

「広開土王碑」を読むためにはまずは本書から。1600年前の「高句麗広開土王碑」を存分に味わってください。


■『明治大学図書館所蔵 高句麗広開土王碑拓本』
明治大学広開土王碑拓本刊行委員会編/吉村武彦・加藤友康・徐建新・吉田悦志
初版発行:2019年3月25日
B5判・上製・カバー装・360頁
https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2169