「日本古書通信」11月号(83巻11号)11月15日発売
主要目次
『漱石遺墨』というスフィンクス 中島国彦
碩学の若き日の「楽書」―野間清六と大塚久雄 竹居明男
挿絵画家初山滋との出会い 千森幹子
平田禿木をめぐる人々 嘉納治五郎 小林信行
国会図書館デジコレで読む古文書11 緒方洪庵の手紙 大沼宜規
小村雪岱の知られざる雑誌表紙絵12 真田真治
昨日も今日も古本さんぽ97 ひばりが丘近藤書店 岡崎武志
銅・石版画万華鏡 135 京都名所図会と井上九皐 森 登
本卦還りの本と卦 139 茸 出久根達郎
古本屋控え帳 389 「老いの哀しみ」 青木正美
中野好夫の翻訳 樽見 博
等々
中島国彦 「『漱石遺墨』というスフィンクス」より
春陽堂の「新小説」臨時号「文豪夏目漱石」(1917・1・2)は、漱石歿後一ヶ月もたたないうちに250ページもの総特集を刊行するという記憶すべき一冊だが、その目次裏に寺田寅彦ら門下生八名連名の「漱石先生遺稿編纂につき謹告」という一ページ大の呼びかけ文が載っている。同じものは、「新思潮」漱石先生追慕号(同3・1)にも載っているし、『明暗』初版発売日(同1・27)の「東京朝日新聞」一面の岩波書店の広告と同じ面に、小さな活字でこの「謹告」も載っている。その一節に、「先生の俳句漢詩書簡其他を汎く蒐集仕度」という表現がある。その呼びかけが浸透し、最初の「大正六年版」の『漱石全集』に、すでに現在伝わる2500通の漱石書簡の三分の二が収録されることになったのである。では、漱石の「遺墨」についてはどうであったのか。
11月号 11月15日発売 定価720円(送料78円)
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