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日本古書通信

【日本古書通信11月号】清国女子留学生と実践女学校(11月14日発売)

%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%a9%a6%e4%ba%bano-82既報の通り、「日本古書通信」11月号は、「作家と女性雑誌」特集の上です。

それとの関連で、当社古書部販売目録欄に、帝国婦人協会が明治32年に創刊した雑誌「日本婦人」の比較的初期の分、明治35年以降の15冊を掲載した。

「日本婦人」は下田歌子が毎号執筆しているが、自ずと、彼女が明治32年に創設した実践女学校関連の記事も目立つ。帝国婦人協会は彼女が欧米の女子教育視察後、「国威をそこなう海外醜業婦問題の解決を願って婦人大衆の教育を企図」して設立したもので、実践女学校も貧困女性の教育機関として創設されたが、実際には中・上流家庭子女の中等教育機関となったようだ。

今回、掲載した中に、その実践女学校が受け入れた清国女子留学生の集合写真が2点入っている。明治36年1月と明治39年8月のもので、後者は卒業記念写真で12名が写っている。実践女学校は清国からの留学生受け入れに積極的で、明治38年には清国留学生部を設けている。同号に掲載の下田歌子の「支那留学生の卒業式に臨みて」を読むと、修業年限は一年だったようだ。また「唯惜しむらくば、貴国の宿弊は、稍もすれば、実学に遠ざかり、徒らに、文章、弁論の花を蔵むるを以てよしとするの輩多く、其実践躬行、即ち孔子の所謂、言に遅にして行に敏なる人、堅実なる志行の果を求むるに急なる徒少なく」と書いている。これは、あるいは同校に留学していた後の女性革命家秋瑾(1875~1907)を指しているのかと想像してしまう。この卒業記念写真は彼女が同校へ留学していた時期とほぼ同じころだが、この12名の中に果たしているのか、いないのか分からない。

 


日本古書通信 11月号
11月14日発売
720円(送料78円)


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