「日本古書通信」8月号(90巻8号)8月13日発売
主要目次
川島幸希 「署名本の世界」みたび26 永井荷風発禁本『夏姿』書入れ本
野田尚稔 本と展覧会あれこれ―「坂本龍一―音を視る 時を聴く」
武内佳代 三島由紀夫と『婦人文庫』―戯曲「あやめ」による輪廻転生物の模索
村松 洋 『解体新書』は何回印刷されたか
多田蔵人 中原中也、最後のフランス語教科書
中山信行 古本屋最後の仕事―肉筆特集自家目録に向けて(3)
多田 昭 徳島県の古書店の歴史(5)
真田幸治 小村雪岱の広告絵1 ホドヂン本舗「ホドヂン」・「衿元」
森 登 一寸随想15 裳華房の『はな』
佐々木靖章 近代文学渉猟(10) 雑誌『鉄槌』細目4
古川富章 HAIKUの多行表現史(12)大正~昭和期「二行詩」の周辺と川路柳虹「絶句」
小山力也 リレー連載「ミステリ懐旧三面鏡」47《俺の捕物帳遍歴》
高木浩明 古活字探偵事件帖32 阪本猷
田坂憲二 吉井勇の読書生活32 谷崎潤一郎を読む・三
石川 透 奈良絵本・絵巻の研究と収集(71)末広物語
中嶋 廣 一身にして二生を経る108
小田光雄 古本屋散策281(最終回)『ジム・トンプソン―運河のほとりのタイ・ハウス』
樽見 博 小田光雄氏「古本屋散策」連載終了にあたって
その他

小田光雄氏「古本屋散策」連載終了にあたって(樽見博)より
小田光雄さんによる「古本屋散策」が今月号281回で終了を迎えた。2004年4月号から一度の休載もなく23年間の永い連載であった。昨年6月8日に急逝され9月号からは遺稿として一年間継続させて頂いた。
小田さんの原稿は、既に使用する執筆者もなくなった当社専用の原稿用紙(1行13字と14字に対応した20行詰)に鉛筆書きで決まって3回分が送られてきた。だから昨年8月号までは小田さんの原稿があった。それ以降は遺されていた下書きを奥様啓子さんがワードデータにして送って下さり、それが今月号まで続いたのである。
この連載が始まったのは、古書組合の機関誌に石神井書林の内堀弘さんが小田さんにインタビューされた記事が載り、是非本誌にもご寄稿願いたいと連絡したことがそもそものきっかけであった。当時、古書業界は、ブックオフの出現と全国への波及で動揺が起きていたが、小田さんの著書『ブックオフと出版業界』(ぱる出版・2000年)はその背景を見事に暴いていたのである。インタビューもその関連のテーマであった。具体的な連載の打ち合わせは、読者の蔵書整理を頼まれ浜松に出向いた折にお会いして決めた。直接会ったのはその時が最初であったと思う。勿論その時、23年間281回に及ぶ連載になるとは想像もしていなかった。
その後、本誌の通巻千号を記念した八木壮一社長へのインタビューをお願いしたこともあった。これは小田さんのライフワークの一つ「出版人に聞く」シリーズの中で、特価本(バーゲンブック市場・流通)をテーマとした一冊に纏めたい意思があったようだが実現できず、小田さんも私も残念に思っている。
8月号 8月13日発売 定価850円(送料79円) ※ご注文はメールまたは電話、FAXで。
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