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活版印刷の基礎知識

出版(編集)者の仕事【活版印刷の基礎知識7】

組み上がり頁数が予定頁数に収まっているか確認し、次に原稿と校正刷りの文字を一字一字見比べ、誤字・脱字・指定と異なる点がないかを見る校正(原稿引き合わせ)を行う。

校正の要は、決して文章を読むのではなく文字を見比べることにある。

原稿と違っている場合は校正記号に準拠した訂正指示を入朱した後、今度はその校正刷りを読む「素読み」と呼ばれる校正をして、著者に届けるのが一般的である。

文芸出版社では著者と出版者が同時に校正を行い、二つを統合するという方式を採用する場合もあったと聞く。

その場合、著者は文章の推敲を中心とした校正を行い、一般的な組版・用字用語の統一などの確認を出版者が行うことになるだろう。

刊行日が迫っている場合は、出張校正といって、著者や出版者が印刷所に出向いて校正作業をすることもある。

校正刷りに赤字訂正が無くなった場合は「校了」と記して印刷所に戻す。

しかし、校了という場合は滅多に無く、数ヶ所の赤字が残ったままではあるが、後は印刷所の責任で訂正して印刷に廻して構わないという意味で「責任校了」、いわゆる「責了」と校正刷りに記すことが通例であった。

(出版部・T)

『近代文学草稿原稿研究事典』埋草(八木書店作成)より転載

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