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出版部

印刷所の仕事2 活字と文選【活版印刷の基礎知識4】

活字は、鉛を主としてスズ・アンチモンとをまぜた合金を母型に流し込んで作られる。

それほど硬い金属ではない。

形状は24ミリ弱の統一された寸法の直方体で、文字のない対面は、ゲタ(〓)として使われる。

文選工や植字工が活字の天地(上下)を間違えないように工夫された「ネッキ」と呼ばれるくぼみがあり、この面が活字の地(下)を示している。

文選工は右手の指で一本ずつ活字を拾い、左手に拾った活字を収める文選箱と原稿を持って作業する。

 

活字を拾う早さは、どれくらいだろうか?

作家の執筆時期を雑誌などの発行日から推測する参考になると思われるのだが、諸説ある。

1980年代の文選の熟練工は、原稿の難易度によるが、1時間当たり800字から1,200字程度の活字を拾ったとされているから、これが一応の目安となるだろう。

原稿用紙に捺された一文字のゴム印は、文選工の担当者印であることが多い。

なお、文選工が拾う活字は漢字と仮名だけで、約物とよばれる句読点とルビ活字は植字台に備わっており、植字工がそれらを拾って組み付けた。

(出版部・T)

『近代文学草稿原稿研究事典』埋草(八木書店作成)より転載

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