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出版部

活版印刷術から印刷産業へ【活版印刷の基礎知識1】

近代日本に於ける西洋式活版印刷術の起源は1848年(嘉永元)、本木昌造がオランダ船から鉛活字と鉄製手引き印刷機を購入したことに始まり、その後、普及・発展して1890年(明治23)には「東京活版印刷業組合」が参加企業百社によって組織されるに至る。

わずか30年ほどで、活版印刷は、個人の技としての「術」から企業として産業化した。近代文学作品はそれを基盤に据えて展開されたといえる。

約30年後の1923年(大正12)、関東大震災で多くの印刷所は壊滅的な被害を被ったが、再建するにあたって多くの印刷会社は当時の最新の印刷システムを導入し、「円本」などの大部数を生産することが可能となる素地を作った。

この活版印刷システムが電算植字組版・オフセット印刷システムに取って代わられるのは1990年代以降である。現在、書籍などの頁物を活版印刷システムで行っている印刷会社はないといってよい。

以後、この連載【活版印刷の基礎知識】では、1980年代以降の活版印刷終焉時期における私の知見を中心として、活版印刷の作業工程を中心に記述する。

(出版部・T)

『近代文学草稿原稿研究事典』埋草(八木書店作成)より転載

 

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