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書店に並ばない本

書店に並ばない本8(白戸満喜子)

以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。
入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社)

 

九州国立博物館編集・発行「石井進先生寄贈図書目録」

日本中世史研究者の故・石井進氏旧蔵図書のうち九州国立博物館に寄贈された図書・雑誌2744件の目録である。資料は「通番号」順に「書名」「著者編者」「出版社発行者」「出版年」となっている。石井氏の旧蔵書は九州国立博物館・九州歴史資料館・鶴見大学石井文庫の三ヶ所に分散されて活用できることとなった。A4判、146頁、平成29年3月。(〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2)

 

堀内秀樹、西秋良宏編集「赤門―溶姫御殿から東京大学へ」

2017年3月18日から5月28日まで東京大学総合研究博物館で開催された特別展の図録である。構成は「一 江戸の赤門」が「はじめに 本郷邸の中にみえる前田と徳川」(堀内秀樹)、「第一章 下屋敷から上屋敷へ―17世紀の加賀藩本郷邸」(小川祐司)、「第二章 加賀藩邸内の徳川将軍家」(畑尚子)、「第三章 溶姫御殿の正門―その建築的特徴と国持大名上屋敷の表門様式に関する考察」(ウィリアム・コールドレイク)、「二 溶姫―歴史資料が語る実像」が「第四章 溶姫の引移り婚礼」(小松愛子)「前田慶寧の誕生蟇目」(林亮太)「前田育徳会所蔵の溶姫関係資料」(菊池浩幸)「溶姫の絵画稽古」(木下はるか)、「第五章 溶姫入輿後の加賀藩」(宮下和幸)「溶姫の加賀下向」(石野友康)「溶姫が残した石鳥居」(滝川重徳)、「三 溶姫をとりまく社会―考古資料が語る御殿生活」が「第六章 溶姫御殿の発掘調査」(堀内秀樹)「総合研究棟〈文・経・教・社研〉地点」(堀内秀樹)「情報学環・福武ホール地点」(成瀬晃司)「伊藤国際学術研究センター地点」(成瀬晃司)「アカデミックコモンズ地点」(堀内秀樹)、「第七章 奥女中の暮らし―情報学環・福武ホール地点SK一〇出土遺物の検討」(成瀬晃司)「描かれた便所と便所遺構の堆積土分析」(堀内秀樹)、「第八章 食生活」(阿部常樹・畑山智史)「三葉葵紋瓦」(平石冬馬)「溶姫御殿の終焉」(小松愛子)、「四 東京大学の赤門へ」が「第九章 赤門と東京大学」(細谷恵子)「第十章 赤門の旧塗装材料に関する基礎調査」(北野信彦)「朱に交われば―赤門と総合研究博物館小石川分館」(鶴見英成)「第十一章 情報のひろがりと空間の流れ―三次元スキャンデータのユーザビリティ」(森下有)「写された赤門」(成瀬晃司)「赤門デザイン」(成瀬晃司)となっている。B5判、268頁、2017年3月。東京大学総合研究博物館発行。2500円。ISBN 978 -4 -13 -020270 -1(発売 東京大学出版会 〒153-0041 東京都目黒区駒場4-5-29)
東京大学創立140周年記念・加賀前田家本郷邸開設400周年記念

 

幸福輝編集「17世紀オランダ美術と〈アジア〉」

2017年1月21日に国立西洋美術館講堂で開催された学術シンポジウムの報告書である。構成は「はじめに」(幸福輝)、「アジアを収集する、アジアを表象する」(幸福輝)、「オラニエ=ナッサウ家の磁器収集と陳列の諸相」(櫻庭美咲)、「贅沢か虚無か―18世紀初頭の室内画における磁器の表象」(青野純子)、「記憶と幻想―日本製輸出漆器にみる風景表現」(日高薫)、「世界的文脈における17世紀後半から18世紀前半までのデルフト多彩陶器」(シー・チンフェイ)、「反射の枠組み―1550年から1650年における“インド”の貝殻表面とオランダの収集」(アンナ・グラスカンプ)、「書画同源?オランダと漢字の出会い」(深谷訓子)、「フェルメールの描いた陶磁器」(タイス・ウェストテイン)、「陶磁器の白い輝き―もうひとつのオランダ美術史」(尾崎彰宏)となっている。日本とオランダという国の違い、美術と工芸という分野の違いというさまざまな研究の壁を越えた試みは、他分野でも望まれる姿勢である。22×17cm、85頁、2017年3月。国立西洋美術館発行。(〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7)

 

新潟市文化スポーツ部歴史文化課・マヌ都市建築研究所編集「旧新津油田金津鉱場総合調査報告書」

平成26年から28年度にかけて実施された「旧新津油田金津鉱場総合調査」の報告書である。構成は「第1章 調査の目的と内容」「第2章 旧新津油田金津鉱場の概要」「第3章 新津油田の石油地質」「第4章 日本の石油産業と新津油田」「第5章 中野家所蔵文書等の史料調査」「第6章 旧新津油田金津鉱場の残存遺構」「第7章 旧新津油田金津鉱場のシステム変遷」「第8章 国内外のポンピングパワーシステムの変遷」「第9章 旧新津油田金津鉱場の価値の考察」「第10章 旧新津油田金津鉱場と一体的な歴史文化遺産」「第11章 旧新津油田金津鉱場の保存活用」となっており、「資料編」には「古写真」「鉱山図」が収録されている。慶長年間に発見された煮坪(にえつぼ)は、越後七不思議として『北越奇談』や『越後薬泉』に紹介されている。最新の煮坪情報を紹介する一冊である。A4判、267頁、平成29年3月。新潟市文化スポーツ部歴史文化課発行。(〒951-8550 新潟県新潟市中央区学校前通1-602-1)

 

浅井能楽資料館、佐藤芳彦記念山口能装束研究所、田原市博物館編集・発行「近世能装束の世界 用の美―武家貴族の美意識」

平成29年7月15日から12月10日まで田原市博物館で開催された展覧会の図録である。構成は「図版」が「装束」「能面」「腰帯」「鬘帯」「絵画」となっており、「近世の能装束―用の美―」(山口憲)を収録している。A4判、127頁、平成29年7月。(浅井能楽資料館 〒606-8262 京都府京都市左京区北白川蔦町18-1)

 

板橋区立郷土資料館編集・発行「水のゆくえ ~荒川の歴史~」

平成30年1月20日から3月25日まで同館で開催された特別展の展示図録である。構成は「図録編」が「Ⅰ いたばしの地形と環境 ―荒川と海―」「Ⅱ 荒川低地での生活 ―低地遺跡の調査成果より―」「Ⅲ 荒川の瀬替え ―低地からの移転―」「Ⅳ 荒川改修工事 ―志村の区画整理と荒川―」「Ⅴ 荒川が遺したもの」となっており、「論考編」は「板橋区産の第四紀更新世貝化石」(川辺文久・芳賀拓真)、「板橋区の旧石器時代から中・近世にわたる環境変遷」(橋本真紀夫)、「東京地形と精密三次元造形、プロジェクションマッピング」(芝原暁彦)を収載している。A4判、113頁、平成30年2月。1000円。(〒175-0092 東京都板橋区赤塚⓹-35-25)

 

大井昇「長崎絵図帖の世界」

現在閲覧・複写可能な江戸時代の長崎諸役所の絵図600点を比較検討している。構成は「第一章 「絵図帖」の製作と管理」、「第二章 絵図帖に描かれた長崎の施設」が「1 長崎奉行所関係」「2 蔵」「3 長崎貿易関係」「4 保安・警察の施設と番方の長屋」「5 長崎警備関係」「6 その他の施設」、「第三章 各絵図帖について」が「基本図」「参考絵図」、「第四章 近世初期の長崎地図」となっている。長崎歴史文化博物館、国立公文書館、神戸市立博物館、大英図書館などに所蔵されている絵図は私たちに長崎の歴史的背景を詳細に伝えている。B5判、184頁、2018年5月。長崎文献社発行。2400円。ISBN 978 -4 -88851 -293 -0(〒850-0057 長崎県長崎市大黒町3-1 長崎交通産業ビル5階)


 

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