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書店に並ばない本

書店に並ばない本7(白戸満喜子)

以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。
入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社)

 

劉瑩編著、王海霞主編、古川智子訳「仮面と臉譜(くまどり) その形と様式の系譜」

伝統的制作技巧の説明と分析で中国の無形文化遺産を紹介している。構成は「1、仮面と臉譜の歴史」「2、仮面と臉譜の種類と分布」「3、仮面と臉譜の製作の道具と工程」「4、仮面と臉譜の保護と継承」「5、仮面の鑑賞」「6、臉譜の鑑賞」となっている。歌舞伎の隈取との相違は興味深い。B5判、109頁、2016年2月。科学出版社東京発行。中国無形文化遺産の美
ISBN 978-4-907051-12-9(〒113-0034 東京都文京区湯島2-9-10)

 

小寺智津子「古代東アジアとガラスの考古学」

弥生時代のガラス製品を分類・分析し新たな考察を加え、東アジアの交流について明らかにしている。構成は「第1部 弥生時代のガラス製品と弥生社会」が「第1章 研究史およびガラスの特性にみる諸問題」「第2章 ガラス管珠・匂珠の分類とその副葬にみられる意味」「第3章 ガラス釧とその副葬」「第4章 ガラス璧の様相と舶載の背景」「第5章 ガラス小珠の様相」「終章 ガラス製品からみた弥生社会」、「第2部 アジア各地のガラス製品の様相と弥生社会の対外交流」が「第1章 弥生時代併行期における朝鮮半島のガラス製品―管珠・曲珠を中心とする様相―」「第2章 戦国時代から漢代における中国のガラス管珠の様相」「第3章 カリガラス製品と古代アジアの交易ネットワーク」「第4章 鉛同位体比からみるガラス製品の関係」「終章 ガラスの諸相からみた古代アジアと弥生社会の対外交渉」となっている。A5判、441頁、2016年4月。同成社発行。9000円。ISBN 9784886217219(〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-4-8)

 

武田佐知子・津田大輔「礼服(らいふく) 天皇即位儀礼や元旦の儀の花の装い」

歴代の天皇がまとってきた礼服の意義と一般に広がっていった歴史と変相について紹介している。構成は「第一章 花から古代の礼服のはじまりをたどる」が「1 花をまとう」「2 花の生命力」「3 冠位十二階の色」「4 冠にあしらわれる花」「5 死者に捧げる花」「6 対等な関係ではない花の贈答」「7 集団のシンボルだった挿頭花」、「第二章 大化の改新から礼服成立までの衣と冠」が「1 天武朝の「此の冠」」「2 天武・持統朝の新たな改革」、「第三章 礼服とは何か」が「1 礼服の面影」「2 礼服をまとう、朝賀と即位という儀式」、「第四章 礼服の成立と律令の規定」が「1 「衣服令」の定める服飾―唐との比較」「2 「養老令」にみられる礼服の制度の成立に関する二つの謎」「3 女子礼服―スカートの謎などについて」「4 武官の礼服について」「5 六位以下の礼服」、「第五章 天皇の礼服」が「12 奈良時代の天皇礼服」「2 中国における冕服の歴史」「3 嵯峨天皇の時代のさらなる冕服の改訂」「4 礼服御覧によって残された、天皇礼服の詳細な記録」、「第六章 皇后と皇太子の礼服」が「1 皇后の礼服」「2 皇太子の礼服-抹殺された皇太子と冤冠の制定」、「第七章 臣下の礼服の変遷」が「1 平安初期における文官礼服の制度」「2 形骸化してゆく文官の礼」、「第八章 天皇礼服のたどった道―鎌倉時代から南北朝時代」が「1 天皇礼服受難の時代―鎌倉時代」「2 天皇礼服の焼失と新調―南北朝時代」、「第九章 臣下の礼服の調達―鎌倉から室町時代」が「1 調達法その一―自前で新調する」「2 調達法その二―よそから借りる」、「第十章 礼服、そして朝廷の最大の試練―戦国時代」「1 後柏原天皇の即位礼」「2 後奈良天皇と正親町天皇の即位」、「第十一章 近世初期における宮廷儀礼の復興」が「1 豊臣秀吉と徳川家康による即位礼の支援」「2月 近世以降の臣下と女官の礼服のゆくえ」、「第十二章 江戸時代中期以降の礼服」が「1 大嘗祭の復興と臣下の礼服の新調」「2 江戸時代中期以降の天皇礼服」「3 礼服の終焉」、「第十三章 日本史の中の礼服」が「1 本章執筆の意図について」「2、 古代日本の制度と政治の観点」「3 近世文化の中の即位礼と礼服」「4 礼服から考える天皇制の問題-女帝、そして天皇の宗教性について」、「第十四章 白襟紋付-近・現代におけるドレスコードの変相」が「1 宮中参内の服装」「2 皇后の喪服と白襟紋付」「3 ドレスより和装の女性であふれた鹿鳴館」「4 婚礼衣装で上京した靖国の妻たち」「五 いつから女性が黒紋付をまとうようになったのか」「六 変わりゆく礼装のドレスコード」となっている。「礼服一覧表」「染織品組織図」「日本古代の衣服制度に関する主な法規」など興味深い資料を収録している。B6判、471頁、2016年8月。大阪大学出版会発行。ISBN 978-4-87259-551-2(〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-7大阪大学ウエストフロント)

 

考古学研究会東海例会編集「木製品からみた鉄器化の諸問題」

2015年2月7日に名古屋大学で開催された考古学研究会東海例会第二四回例会の記録集である。構成は、「発表」が「木製品からみた鉄器化の諸問題―尾張・三河の状況について―」(樋上昇)、「木製品からみた鉄器化の諸問題(岐阜県)」(小野木学)、「木製品からみた鉄器化の諸相・三重県―石器・骨角器の加工痕、使用痕を加えて―」(櫻井拓馬)、「木製品を中心としてみた鉄器化の様相―遠江・駿河の状況について―」(大谷宏治)、「骨角器からみた鉄器化について」(川添和暁)、「コメント」が「北陸における農工具の鉄器化について」(林大智)、「近畿地方における農工具の鉄器化について」(黒須亜希子)、「山陰地域における農工具の鉄器化―青谷上寺地遺跡を中心に―」(河合章行)、「弥生時代における斧柄の変遷と工具鉄器化―北部九州を中心として―」(森貴教)、「農具の鉄器化について―鉄器研究者の立場から―」(河野正訓)、「総括コメント」(森岡秀人)となっている。A5判、144頁、2,017年1月。考古学研究会発行。(〒700-0027 岡山県岡山市北区清心町16―37 長井ビル201)シンポジウム記録10、Symposium records 10

 

有岡利幸「栗の文化史―日本人と栗の寄り添う姿―」

食料あるいは材木として重用され、また昔話や説話にも多くの場面で登場する栗について余すことなく紹介している。構成は「第1章 栗を主食にした縄文人」「第2章 記紀万葉期に人々の食べた栗」「第30分章 王朝人の食べた栗」「第4人章 中近世の人たちが食べた栗」「第5章 栗の昔話と生活習慣」となっている。日本人と栗のかかわりの深さを知ることができる一冊である。A5判、278頁、2017年2月。雄山閣発行。3024円。ISBN 978-4-639-02464-4(〒102-0071 東京都千代田区富士見2-6-9)
生活文化史選書

 

廣田孝「明治大正期の染織資料の研究(髙島屋史料館所蔵) ―源泉・下絵・作品写真の比較・考察―」

明治大正期の輸出向け染織品関連資料の分析と、高島屋画室で活動した日本画家・竹内栖鳳について紹介している。構成は「第1部 高島屋資料室所蔵染織資料の比較考察」「第2部 高島屋画室での竹内栖鳳」となっている。A4判、278頁、平成30年3月。京都女子大学発行。非売品。(〒605-8501 京都府京都市東山区今熊野北日吉町三五 )京都女子大学研究叢刊55
Study of materials related to textiles in the Meiji and Taisho Periods : archives by the Takashimaya Historical Museum : comparison and consideration of sources, designs and photos of works


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「日本古書通信」http://www.kosho.co.jp/kotsu/
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