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書店に並ばない本

書店に並ばない本2(白戸満喜子)

以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。
入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社)

 

大阪総合保育大学総合保育研究所絵本プロジェクト編著「科学絵本ガイドブック」

本書は、科学絵本・知識絵本にスポットをあて、それらの活用方法を検討した成果である。構成は、「科学絵本が保育実践の中で持つ意味」「科学絵本とは何かという定義」「このガイドブックでの科学絵本の分類」を解説する「1.保育実践と科学絵本」、「テーマによる分類」に従い、実践・活用事例と紹介をする「2.科学絵本の実践と紹介」が「Ⅰ「生き物、生命感」に関する絵本」「Ⅱ「植物」に関する絵本」「Ⅲ「季節の変化、自然現象、自然界」に関する絵本」「Ⅳ「物理現象・化学現象、ものの仕組み・しかけ」に関する絵本」「Ⅴ「宇宙、地球」に関する絵本」「Ⅵ「人、自分の身体、生まれて育つこと」に関する絵本」「Ⅶ「食べ物、食育」に関する絵本」「Ⅷ「自分でやってみる、不思議を感じる」に関する絵本」「Ⅸ「数量、形、大きさ」に関する絵本」「Ⅹ生活・社会・文化などいろいろな絵本」、「3.科学絵本のリスト」となっている。「科学絵本・知識絵本」と「保育・教育実践」という視点で、一頁一冊ずつ丁寧に絵本が紹介されている。成長とともにストーリー性のある絵本だけではなく、各種図鑑が子どもたちのコミュニケーションとなる様子の紹介は、書物の未来を考えるうえで非常に心強い。総合保育双書1
B5判、80頁、2017年12月。ふくろう出版発行。定価1111円。ISBN978-4-86186-680-7
(〒700-0035 岡山県岡山市北区高柳西町1-23)

 

国立文化財機構東京文化財研究所編集・発行「宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 春日権現験記絵 巻1・巻2 光学調査報告書」

独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所から宮内庁へ提出された「春日権現験記絵の光学調査結果に関する報告書の発行について(依頼)」及びその許可に基づいて刊行されている。本書は「春日権現験記絵」の全写真と調査結果の2部構成で、「調査結果」は「詳細カラー写真―色と描写―」「蛍光X線分析結果」「蛍光X線分析ポイントの部分写真と結果」「撮影写真の比較―カラー写真・近赤外線写真・蛍光写真―」となっている。
A4横判、151、103頁、平成29年3月。(〒110-8713 東京都台東区上野公園一三―四三)

 

岩手県立博物館編集「遮光器土偶の世界」

平成29年6月3日から8月20日まで同館で開催された第六八回企画展の展示図録である。構成は「遮光器土偶をめぐる諸問題―土偶に関する定説―」「縄文晩期―遮光器土偶の時代―」「考古学の時期区分」「第1章 土偶の歴史―遮光器土偶の前―」「第2章 遮光器土偶とは」「第3章 遮光器土偶の広がり―北海道から兵庫県まで。遮光器系土偶―」「第4章 同じ時期の土偶」「第5章 遮光器土偶を生んだ亀ヶ岡文化」「第6章 土偶の終わり―遮光器土偶の後―」「第7章 遮光器土偶は何のために作られたのか」となっている。コラムとして「魅力的な「遮光器土偶の世界」」、また「縄文マンガ どぐうのなーちゃん」(オオツキ・フミ)を収録している。岩手県は土偶が日本一多く、北日本で縄文晩期に栄えた亀ヶ岡文化は、全身空洞の遮光器土偶を生み出した。本書では、遮光器土偶に関する伝統や使用痕などをさまざまな角度から検討し、用途の解明に迫っている。
A4判、53頁、平成29年6月。岩手県文化振興事業団発行。
(〒020-0102 岩手県盛岡市上田字松屋敷三四)

 

國學院大學博物館編集・発行「モノの力ヒトの力 縄文から現代まで 人と工芸の間にやどるチカラ」

平成29年7月28日から10月9日まで同館で開催された企画展の図録である。構成は「第1章 原子工芸の力」「第2章 力を入れたモノ」「第3章 力のついたモノ」「第4章 いにしえから受け継ぐモノ」となっている。また、「モノの力 ヒトの力」(内川隆志)、「縄文石器の力」(大工原豊)、「縄文造形の力」(小林達雄)、「鏡の呪力」(北澤宏明)、「勾玉の力」(内川隆志)、「饕餮文尊(とうてつもんそん)―卓越した鋳造技術」(大日方一郎)、「ヒトの力・工芸の力」(出川直樹)、「応龍文陶板(柿右衛門様式)」(鎌形慎太郎)、「鍋島色絵花籠文皿 五客」(鎌形慎太郎)、「江戸小紋―その魅力と力」(熊谷博人)、「冠落鎬造脇差「市毛徳粼金鍜之」作刀献上に関する考察」(中野秀哉)、「いにしえから受け継ぐモノ」(赤木明登)、「縄文から現代―モノをみて、つくって考える」(堀江武史)、「陶片」(森田春菜)と解説が充実している。
20×23cm、75頁、平成29年7月。Value of mankind, value of artifact(〒150-8440 東京都渋谷区東4-10-28)

 

出雲市市民文化部文化財課編集「シンポジウム記録集 「古代山陰道」を考える ―杉沢遺跡道路遺構発見の意義―」

平成27年2月15日にアクティーひかわ多目的ホールで開催されたシンポジウムの記録集である。内容は「報告1 杉沢遺跡と島根県内の道路遺構」(江角健)、「報告2 青谷上寺地遺跡検出の道路遺構」(森本倫弘)、「講演1 見えてきた古代山陰道」(木本雅康)、「講演2 古代遺跡の保存と活用」(近江俊秀)、「パネルディスカッション「『古代山陰道』を考える」」となっている。本書で取り扱われている杉沢遺跡道路遺構は、『出雲国風土記』に記載されている古代山陰道の「正西道(まにしのみち)」と推定されている。飛鳥時代から奈良時代にかけて、中央集権国家が整備した道の保存と活用について紹介している。
出雲市の文化財報告30、平成27年度出雲市文化財調査報告書 A4判、53頁、平成28年3月。
出雲市発行。(〒693-8530 島根県出雲市今市町70)

 

内田雅之編集「熱田神宮の特殊神事 ~連綿と伝わる宮廷儀式~」

平成29年9月29日から10月24日まで熱田神宮宝物館で開催された秋季企画展の解説図録である。本展示では、宮中から伝播した神事および草薙神剣を奉斎する由縁による熱田神宮独自の特殊行事を紹介している。構成は「Ⅰ.一月五日 初えびす」「Ⅱ.一月七日 世様神事(よだめししんじ) 一月十二日 封水世様神事(ふうすいよだめししんじ)」「Ⅲ.一月十一日 踏歌神事」「Ⅳ.歩射神事」「Ⅴ.二月十七日 御田神社祈年祭(現在は三月十七日)」「Ⅵ.三月十五日 舞楽神事(現在は五月一日)」「Ⅶ.四月八日 豊年祭(現在は五月八日)」「Ⅷ.五月四日 酔笑人神事」「Ⅸ.五月五日 神輿渡御神事」「Ⅹ.六月五日 南新宮社祭」「ⅩⅠ.六月三十日 大祓」「ⅩⅡ.七月七日 神宝風入(しんぽうかざはめ) 八月下旬 神宝虫干(現在は行われず)」「ⅩⅢ.十二月二十五日 御煤納神事」となっている。本書では、特殊神事を記録した絵画や文献資料、実際に神事において執物として使用された宝物を掲載している。
B5判、90頁、平成29年9月。熱田神宮宮庁発行。
(〒456-0031 愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1)


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