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書店に並ばない本

書店に並ばない本1(白戸満喜子)

以下は「日本古書通信」掲載「特殊文献の紹介」欄に紹介されたものの一部です。
入手などについては、各書末尾の発行所へ直接お問い合わせ下さい。販売を主としたものではありませんので、丁寧な対応をお願いいたします。(日本古書通信社)

 

麓和善・鳴海祥博・窪寺茂・舘龍午「岐阜県近代和風建築総合調査報告書」

重要伝統的建造物群保存地区の多い岐阜県内における明治期以降の和風建築物を調査した成果である。構成は「第1章 調査事業の概要」「第2章 岐阜県の近代和風建築」「第3章 岐阜県近代和風建築の特質」「第4章 2次調査個別解説」となっており、「第4章 次調査個別解説」では81ケ所の個別解説が収録されている。
A4判、559頁、平成28年3月。岐阜県教育委員会発行。
(〒500-8570 岐阜県岐阜市薮田南2-1-1)

 

島根県教育庁文化財課世界遺産室編集・発行「石見銀山の社会と経済 ―石見銀山歴史文献調査論集―」

江戸時代の石見銀山に焦点を当てた総合調査の成果をまとめている。所収論文は「近世初期における石見銀山役人宗岡氏の動向と活躍について」(仲野義文)、「代官井戸平左衛門の事績と顕彰」(藤原雄高)、「十八世紀の石見銀山料港町における銑・鉄取引 ―宅野浦の廻船商人増屋の活動を手がかりに―」(原田洋一郎)、「十九世紀半ばにおける石見国銀山附幕領の経済状況と「銭遣い」」(小林准士)、「石見国銀山附幕領沿岸部の諸家における経営動向についての試論」(鳥谷智文)、「石見銀山の幕末を生きた武士 ―「石見銀山附地役人」の明治維新―」(矢野健太郎)となっており、「付録」として「江戸時代の石見銀山」「江戸時代の石見銀山 歴史略年表」が付されている。
A5判、203頁、2017年3月。1000円。ISBN 978-4-86456-221-8(販売 ハーベスト出版 〒690-0133 島根県松江市東長江町902-59)
世界遺産登録一〇周年記念

 

東京藝術大学大学美術館編集「藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!」

第一期が2017年7月11日から8月6日まで、第二期が2017年8月11日から9月10日まで開催された東京藝術大学創立130周年記念特別展の図録である。構成は「パンドラの箱が開く時―藝大コレクションの130年」(吉田亮)、「カラー図版」「テーマ編」「アーカイブ編」となっており、「テーマ編」は「平櫛田中コレクション―展示活動の歩みと関連作品」「卒業制作―作家の原点」「現在作家の若き日の自画像」「真似から学ぶ、比べて学ぶ」「石膏原型一挙開陳」「藝大コレクションの修復―近年の取り組み」、「アーカイブ編」は「藤田嗣時資料」「記録と製作―ガラス乾板・紙焼き写真から見る東京美術学校」を収録している。東京美術学校開設以来のコレクションは、日本美術の名品のみならず、教育のための参考品として集められた希少性が高い作品、歴代の教員および学生たちが遺した作品が特徴である。藝大コレクションの豊富さ、多様さ、奥深さを紹介している一冊であり、装訂も興味深い。B5判、209頁、平成29年7月。
六文舎発行。(〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8)

 

大坂城天守閣編集・発行「幕末大坂城と徳川将軍」

平成29年10月7日から11月26日まで大坂城天守閣で開催された特別展の図版目録である。構成は「第一章 幕末大坂城の姿」「第二章 大坂近海の攻防」「第三章 徳川家茂と大坂城」「第四章 徳川大坂城、最後の輝き」「第五章 「最後の牙城」炎上」となっている。元和五(一六一九)年に幕府直轄となり、西国支配の拠点であった大坂城は、明治元(一八六八)年に始まる戊辰戦争により、建物の大半が失われている。大坂城の重要性を見直し、そこで生涯を閉じた一四代将軍家茂、そして活動の拠点を京都の二条城と大坂城とした一五代将軍慶喜が訪れていた幕末の大坂城はどのような姿であったのか。本書は、徳川幕府における大坂城の存在に注目して紹介している。
A4変形判、207頁、平成29年10月。(〒540-0002 大阪府大阪市中央区大阪城一―一 )
Osaka Castle and Tokugawa shoguns at the end of the Edo period


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