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新刊納品

荒木仁朗著『江戸の借金―借りてから返すまで―』

本日、荒木仁朗著『江戸の借金―借りてから返すまで―』が納品となりました。

江戸時代の借金は「口約束」からはじまった。大量に残された証文を読み解き、江戸時代のリアルな借金事情を明らかにします。近世古文書学などの文献史学はもちろん、アーカイブズ学、経済史、農業史、法制史にも寄与する本です。

本書の一部をご覧いただけます(pdf)。https://catalogue.books-yagi.co.jp/files/pdf/d9784840622646.pdf

【内容説明】

1 借りてから返すまで―大量の証文が語るリアルな借金事情
証文はなぜ大量に残されたのか。膨大な証文を徹底調査し、お金を借りてから返済するまでの全体を理解し、江戸時代の借金事情を明らかにする。

2 「口約束」から「一筆をとる」まで―驚きの金融事情
借金や土地売買は口約束からはじまった―現代では考えられない江戸時代の常識「口約束」から、書面で取り交わされた借金に至るまで、丁寧に解き明かす。

3 史料読解の新しい手法―新たな近世古文書学・アーカイブス学を提示
金子借用、土地売買など地方文書で大量に残される証文類は、どのように読むべきか。実際に調査した文書写真とその解釈を掲げた、古文書調査に必読の書。さらに古代から現代まで、借金にまつわる書下ろしコラム6本を収録。

 

【目次】

序章 借金と証文類
はじめに/第一節 証文の形式について/第二節 研究史の整理と課題
第一部 村の返済マニュアル
第一章 口約束から一筆へ
はじめに/第一節 「口入金借方覚帳」の史料的性格/第二節 金子借用の実態/
第三節 一筆を取るまで/おわりに
〔コラム〕古代は借金地獄? 出挙の裏表
第二章 一筆の行方
はじめに/第一節 証文類とその時期的分布/第二節 証文と借用金額/
第三節 借金の継続と証文の書替/第四節 永代売の実態/おわりに
〔コラム〕徳政令の真実
第三章 土地を取り戻す
はじめに/第一節 返り手形と永代売/第二節 「帰り永代」慣行の特質と展開/おわりに
〔コラム〕江戸の公金貸付は返済不要? 公金貸付の実態

第二部 変容する村の返済マニュアル
第一章 災害と借金
はじめに/第一節 帳簿からみる借金返済の概観/第二節 借金返済の変容と請戻し権の喪失/おわりに
〔コラム〕明治の買戻し慣行
第二章 返済条件の変更
はじめに/第一節 足柄下郡根府川村/第二節 享保期の有合売渡と金子借用/第三節 寛延から天明期の有合売渡と金子借用・質地/おわりに
〔コラム〕戦後のいつの間にか戻ってきた土地
第三章 流地と生活支援
はじめに/第一節 請戻し不可文言と土地売買/第二節 祝金と請戻し不可/第三節 一九世紀小田原の借金返済/第四節 請戻し不可契約後の行方/おわりに
〔コラム〕世界の借金事情―イタリア都市国家とイスラーム銀行―

終章 借金と村
はじめに/第一節 各部のまとめ/第二節 近世農村借金返済(債務処理)の過程と村の関与/第三節 近世農村借金返済(債務処理)の歴史的位置/おわりに

あとがき/索  引


江戸の借金―借りてから返すまで―
荒木仁朗

https://catalogue.books-yagi.co.jp/books/view/2369

本体8,000円+税

初版発行:2023年5月20日
A5判・上製・カバー装・354頁
ISBN 978-4-8406-2264-6 C3021