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日本古書通信

「日本古書通信」2020年4月号 4月15日発売

主要目次

船橋 治「報徳思想とマルクス主義との接点」
高梨 章「読書の飢‐「蒲原有明日記」より(上)」
樽見 博「感謝 北川太一さん」
川島幸希「初版本蒐集の思い出9」
真田幸治「小村雪岱装幀本雑記6 『潤一郎傑作全集』」
石川 透「奈良絵本・絵巻の研究と収集7」
岡崎武志「昨日も今日も古本さんぽ114 武蔵村山市BOOK ONE」
出久根達郎「本卦還りの本と卦 156」
その他

高梨章「読書の飢‐「蒲原有明日記』から」より

いわゆる市井の読書人が、戦後間もないころどのように図書・雑誌を入手していたのか、購入していたのか、という視点から記してみたい。わたしの手元にある『蒲原有明日記』が、その格好の材料をいくつも提供してくれる。

静岡の空襲により、昭和二〇年六月二〇日、有明は蔵書の一切を失った。その有明に「読書の飢え」が襲う。ますますつのるひもじさに、露店で本を漁り、人から本を借り、本を貰い、古本屋で、古物店で本を漁る。やがて直接、新刊書を発行元に注文、取り寄せる。ヒャッキン本を見つける。そして最後は、松林堂という書店を介して配達してもらうようになる。日記に現れる図書の数量の多さには目を見張る。それにとどまらず、日記帖末尾にあるいは狭間にも、新刊図書のメモ群があり、新聞切抜等も混じるのである。

 


 

4月号 4月15日発売 定価750円(送料79円)※ご注文はメールまたは電話、FAXで。

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