「日本古書通信」11月号(84巻11号)11月13日発売
主要目次
栁原暁子 「E・A・ポーと松本清張」
中尾 務 「土井虎賀寿への反駁、その後 富士正晴調査余滴」
石川 透 「奈良絵本・絵巻の研究と収集2「ガリヴァー旅行記」と「御曹司島渡」」
竹内栄美子「堀田善衛『時間』『夜の森』のこと」
真田幸治 「小村雪岱装幀本目録2」
福田 博 「和書蒐集夢現幻譚94『殺生石後日談』」
岡崎武志 「昨日も今日も古本さんぽ109 武蔵境「おへそ書房」」
出久根達郎「本卦還りの本と卦151 小冊子」
その他
「ガリヴァー旅行記」と「御曹司島渡」(石川透)より
『ガリヴァー旅行記』とよく似た話が日本に存在している。それは、御伽草子に属する『御曹司島渡(おんぞうししまわたり)』という作品で、源義経が兵法書を求めてさまざまな島を訪れるという話である。その『御曹司島渡』には、こびとの島や馬人の島が登場し、『ガリヴァー旅行記』と共通するのである。おそらく『御曹司島渡』を知っている人であるならば、必ず『ガリヴァー旅行記』と似た話であることに気付くはずである。物語の成立年代が『御曹司島渡』の方が百年以上も古いのだが、さすがに日本の作品が影響を与えたとは言えずに、どこの国でも同じような話が古くから作られているのだな、と私も考えていた。
しかしながら、作者スイフトの研究をしている慶應義塾大学教授原田範行氏から、スイフトが当時のイギリスにおいて、駐オランダイギリス大使の秘書をしていること、『ガリヴァー旅行記』は『御曹司島渡』の影響を受けている可能性があることを知り、あらためて考察し直してみたのである。
11月号 11月13日発売 定価750円(送料79円)
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