日本古書通信
「日本古書通信」3月号 3月14日発売
「日本古書通信」3月号 3月14日発売 定価720円(送料78円)
3月号主要目次
本と人
明治大正 持続する書物1 土井晩翠『天地有情』 多田蔵人
実事ありやなしや 須加子と文海 堀部功夫
編集者矢牧一宏について 川口秀彦
土井虎賀寿著書目録 樽見 博
連載
田中美知太郎戦中戦後書誌2 俊野文雄
国会図書館デジコレで読む古文書3 大沼宜規
雑誌「露西亜評論」について(10) 配島亘
小村雪岱の知られざる雑誌表紙絵7 真田真治
本卦還りの本と卦 131 出久根達郎
21世紀古本屋の肖像86 ナインブリックス 古賀大郎
その他
明治大正 持続する書物(一) 土井晩翠『天地有情』(多田蔵人)より
明治大正の文学書のうち、(ほぼ)同じ形で長い間重版を続けた本はあまり多くない。造本の変遷をかいくぐるように出版されたこれらの本を取りあげながら航跡をたどってみることで、一つの本の形が一定期間持続したこと――あるいは、持続してしまったこと――の意味を考える。この一五〇年を、そういうふうに振りかえるやりかたはあって良いのではないか。少し大げさに考えればそれは、文学史を短い流行の交代として見るのではなく、もっと息の長い深層の動きに目を向けてみる試みにも繋がりうるかもしれない。