• twitter
  • facebook
日本古書通信

若狭邦男著 『探偵作家発掘雑誌』第1巻 今秋刊行!!

wakasa_tanteisakka20160909終戦直後に叢生した、いわゆる「カストリ雑誌」には、有名無名の作家が無数の通俗・風俗小説やルポルタージュを執筆している。その中には探偵・推理小説も少なくなく、埋もれたままの作家や作品も多い。著者はこれまで、『探偵作家追跡』『探偵作家尋訪』『探偵作家発見100』(いずれも日本古書通信社刊行)を刊行し、戦時中から終戦後に活躍した多くの探偵作家とその作品を闇の中から発掘、紹介してきた。

今回の著書は、更にディープな「カストリ雑誌」の世界に分け入る。終戦後の出版界は混迷を極めたが、中でも「カストリ雑誌」は、「三号雑誌」の別称の通り、創刊されては休刊、誌名を変えて復刊、表紙や編集に手を入れた改装版が無数にあるなど、正体はつかみ難い。埋もれたままの作家や作品への思いの強い著者は執念をもって、「カストリ雑誌」の完全蒐集に挑んできた。昭和探偵小説のファンからの要望も強く、複雑な「カストリ雑誌」の全貌を、絡んだ糸を解きほぐすべく挑戦した成果が本書である。

全2巻の予定で、第1巻は、「新講談の世界」「猟奇の世界」「怪奇の世界」「性の世界」「狂艶の世界」「探偵の世界」「娯楽の世界」で構成。各章のタイトルを持つ雑誌を中心に、関連の雑誌を取り上げ、複雑な巻号と出版社(者)の異同を整理、執筆陣や作品を発掘している。上段には書影と作家の略歴などを収めるなど、「カストリ雑誌」事典を兼ねる。

日本古書通信社 刊 A5 判/352頁/定価 本体3,000円+税

 

お問い合わせ: 日本古書通信社 http://www.kosho.co.jp/kotsu/