コラムバックナンバー(2016年4月)

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  • 宮城県亘理町と漱石「文鳥」【日本古書通信 編集長だより4】

    3月11日の朝日新聞に「漱石「文鳥」の原稿、津波被害からの「再発見」」という記事が掲載され、不思議と気になった。その後偶然が重なって、原稿が「再発見」された宮城県亘理町に行ったり、「文鳥」そのものについて少し調べることになったのでその経緯を書いておく。  「日本古書通信」2012年6月号に元宮城県図 […]

  • 印刷所の仕事2 活字と文選【活版印刷の基礎知識4】

    活字は、鉛を主としてスズ・アンチモンとをまぜた合金を母型に流し込んで作られる。 それほど硬い金属ではない。 形状は24ミリ弱の統一された寸法の直方体で、文字のない対面は、ゲタ(〓)として使われる。 文選工や植字工が活字の天地(上下)を間違えないように工夫された「ネッキ」と呼ばれるくぼみがあり、この面 […]

  • 史料の利用と保存のいま・むかし(京都市歴史資料館 井上幸治)

    平安時代といえば、和歌や十二単に代表される華麗な王朝文化であったり、藤原氏を中心とした権謀術策のうごめく政治史であったり、といったイメージが強いのではないでしょうか。 しかし実際に平安京で働いていた多くの人々は、そのような世界とは縁遠い存在でした。2月に刊行した拙著『古代中世の文書管理と官人』では、 […]

  • 近代の書簡翻刻の苦心と喜び (岡山大学 西山康一)

    『倉敷市蔵 薄田泣菫宛書簡集 文化人篇』が、このたび刊行されました。 これで同書簡集は「作家篇」「詩歌人篇」に続き全3巻となり、完結となります。 編集に携わった身としては、とりあえず肩の荷が下りてほっとしています。 実際、ここまでたどり着くのは、たいへんな道のりでした。 倉敷市の呼びかけにより、薄田 […]

  • デパートで「勉強」【創業者 八木敏夫物語4】

    神保町・古書街の中心は空襲に焼け残った。日本古美術の権威だったウォーナー博士は日本の古都を救う努力をした。胸像が八木敏夫が住む鎌倉の西口駅前にある。古書街も、東大国文で学び谷崎潤一郎の親友だったエリセーエフ・コロンビア大学教授の進言があって戦火を免れ……という話がある。東京のこの小さい一角を? しか […]